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2020-01-07 05:37 | カテゴリ:未分類


被覆肥料溶出のメカニズム1
   


  肥料業界ではコーテイング(被覆)肥料対策が急務になってきた。なぜかというと、現在世界を揺るがせている海洋でのプラスチック汚染の中には、被覆肥料の物理的外皮膜に用いられている合成高分子物質の分解産物が含まれている可能性があるからである(上図)。

  この被覆肥料の被覆資材である合成高分子プラスチックの総量に関して、どこを調べても、厳密な統計が入手できないので、あくまで推測だが、この施肥効率が非常に高い被覆肥料を、特に水田で用いている日本の場合は、被膜は比重が軽いので水に浮遊して水田の水尻から川に排出されて、最終的に沿岸部に流出しているマイクロプラスチック量が世界でも高い水準の可能性がある。それを川魚や回遊魚が捕食している。
   

 
      以下に、日本肥料アンモニア協会が発信している記事を転載する(上図と共に,以下の記事もネットからのパクリなので出典がわからない)。この文章の終章で書かれている提案は、これで対策が十分とは到底思えない。被覆資材に生分解性樹脂を利用するなどが、常識的には考えられるが、海洋での分解性など難しい課題が山積していると思う。
   
  せっかくの日本人(藤田利雄:元チッソ研究員)が世界に先駆けて開発したチッソ(N)による環境負荷の少ない世界に誇るべき被覆肥料を、なんとか生かして使いたいと思う。
  
    
海洋漂着プラスチックを巡る肥料業界の対応について

日本肥料アンモニア協会

 

弊会は被覆肥料の殻の問題として、プラスチック含有被覆材を環境中に排出することを抑制するため、肥料袋に注意書きの記載やチラシの配布などにより改善を進めてきた。加えて各メーカーも、分解性のある素材への転換を図ってきた。

然しながら、海洋漂着プラスチック問題は国際的に大きな問題となっており、業界全体で一層の対策を講じる必要性があると考える。

従来の肥料では、作物へ基肥・追肥と数回に分けて施肥していたが、数回の施肥作業は農家へ負担を強いていた。被覆肥料は、肥料の利用効率が速効性肥料に比べて格段に高く、全量基肥施肥あるいは施肥回数の削減を可能とした。施肥の省力化は、農家の方から高い評価を得てきた。大規模農家においては、経営の効率化に、その他高齢農家においても夏場の施肥の省力化により体力、健康面でも支持されてきた。

農水省においても、施肥量を減らすことが出来るので肥料資源が有効活用されること、圃場系外への肥料成分の流出が抑制され水系富栄養化が抑制されること及び温暖化原因のNOガス発生が抑制されることなど、環境に配慮した農業が可能と位置付けられて来た

◎対応策

肥料業界として、以下の基本的な取組み方針を表明する

①従来から被覆肥料殻の農耕地からの流亡防止のため、包材などへの記載などにより農家へ注意喚起を行ってきたが、流通・農家との協力を深め、継続して一層の強化徹底を図る。

②被覆肥料殻の環境中での分解性について、更なる向上を目指し、併せて被覆樹脂使用量の削減に向けた技術開発を継続して進める。

③他の機能性肥料の活用場面の拡大などを推進する。

 

 (森敏)
付記:なお海洋生分解性プラスチック開発についての、国によるロードマップについては以下のタイトルで、先日発行されたばかりの「化学と生物」誌の1月号に、実にタイミングよく、詳述されている。今後も連載される予定だとか。

海洋生分解性プラスチック開発・導入普及における課題とわが国の取り組み

海洋プラスチックごみ問題への挑戦

根本耕司*1早田拡生*2梅北栄一*1

*1 経済産業省産業技術環境局研究開発課エネルギー環境イノベーション戦略室*2 国立研究開発法人新エネルギー産業技術総合開発機構国際部

 

化学と生物 Vol.58 No.1 Page. 40 - 45 (published date : 202011)



2019-12-25 11:57 | カテゴリ:未分類
以下の産経記事をご参照ください

https://www.sankei.com/west/news/191224/wst1912240003-n1.html


今年の卒業生の就職希望ランキングに食品産業が上位を占めてきていることは注目に値します。

かつての食品系会社が多角的な事業展開で、過去20年間は

少子・高齢化社会に対応する、機能性食品など新しい技術開発に果敢に挑戦しています。

それが若い世代(あるいはその親の世代?)にも確実に認知されてきた結果だと思われます。

多くのIT・電気・通信・商事・銀行なども農業部門を設けて参入してきています。

東大農学部の応用生命化学専修や応用生命工学専修は

かつての「農芸化学」という専修に名称変更しようとしています。

「食」と「健康」と「環境保全(修復)」という明治以来の伝統ある「農芸化学」本来の原点に帰ろうということでしょう。

健康で長生きしなければ、長生きしても意味がないですよね!

人は食わずには生きていけません。だから食の産業は需要が安定しており、欲をかかなければつぶれません。毀誉褒貶・栄枯盛衰の激しいIT/AI産業では瞬時に高収入が得られても、会社がいつつぶれるか気が気ではないでしょう。

 
  
(森敏)





2019-12-19 06:23 | カテゴリ:未分類
  以下の日経新聞と朝日新聞と毎日新聞の記事は、日本の「研究者育成政策」の現状を紹介したものだが、危機的状況であることがわかる。
    
  毎年のノーベル賞受賞者などが、日本の研究者育成政策が危機的状況であることをいくら叫んでも、なぜかそれが政策に遅々としてしか反映されてこなかった。なぜそうなのかを、大学人、経済界、政治家はこの際根本的によく考えるべきだと思う。政治家がよく使う、言語明瞭意味不明瞭な言葉「抜本的」政策ではだめな状況に追い込まれているのである。
      
  以前にも(10年以上前から)このブログでも同じことを口を酸っぱくして、何回か述べてきた。

  

          2019/04/18 : 1兆2180億円の戦闘機投資
     
          2018/01/11 : 地上配備型の新型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」2基の値段2000億円は、日本の文科省の科学研究費(日本の全大学の研究者の生命線!)と同額

         2018/03/31 : 何をいまさら! 国の科学技術人材育成に対するたとえようもない鈍感さ

         2016/10/04 : 大隅良典先生おめでとうございます
            
          2013/12/15 : 先端技術と民生技術





だが、事態はさらに悪化する一方である。以下の記事からも、連動して科学研究成果の生産が急速に低下していることがわかる。



   


 

 

博士生かせぬ日本企業 取得者10年で16%減

 

    世界は新たな「学歴社会」に突入している。経営の第一線やデジタル分野では高度な知識や技能の証明が求められ、修士・博士号の取得が加速する。主な国では過去10年で博士号の取得者が急増したのと対照的に、日本は1割以上減った。専門性よりも人柄を重視する雇用慣行を維持したままでは、世界の人材獲得競争に取り残されかねない。

    「日本人だけでは定員を埋められない。経済学の修士課程は7割が留学生だ」。データ分析を駆使したミクロ経済学を研究する、東京大学の渡辺安虎教授は危機感を募らせる。今夏までアマゾン・ドット・コム日本法人で経済学部門長を務めた経験から「社会的なニーズは必ずある」と断言するが、日本人の大学院への進学意欲は乏しい。

    科学技術・学術政策研究所によると、欧米各国では2016年までの10年間に博士号の取得者が2ケタ増えた。修士号でも傾向は同じだ。企業などで上級ポストを射止めるには、高度な学位が必要だ。

    グーグルなど米IT大手に先端分野の技術者として入社するには、修士・博士号が最低条件だ。中国は自 国での育成に加え年5000人超が渡米して博士号を取得。帰国した人は「海亀族」と呼ばれ民間企業などで活躍する。

    一方、日本の博士号取得者は16年に15000人と10年間で16%減った。少子化は関係ない。この間に4年制大学の入学者は一貫して増えている。学生が専門課程への進学をためらい、日本は世界の中で相対的な「低学歴化」に沈んでいるのが実情だ。

大学などの研究者の収入が不安定な面は否めないが、企業の機能不全も深刻だ。

博士課程でAIを専攻した大山純さん(仮名)は今、国内電機大手でインフラ分野の営業と開発に従事する。採用面接では専門知識はほぼ問われず、逆にこう求められた。「学位取得より入社を優先してほしい」。結局、博士号は取らなかった。

    経団連は毎年、加盟各社が「選考時に重視した点」を調べている。上位を占めるのは「専門性」ではなく、「コミュニケーション能力」など人柄に関する項目ばかり。

    入社後も専門性は評価されにくい。30歳前後の平均年収を比べると、日本の学部卒人材が418万円なのに対し、修士・博士の大学院卒は524万円。その差は1.25倍だ。米国の修士の平均年収は763万円で、学部卒の1.4倍を稼ぐ。博士では915万円と1.68倍まで開く。

    高学歴者に高収入で報いるのは、世界の常識だ。社会学者の小熊英二・慶応義塾大学教授は「グローバルの人材評価基準から日本市場は隔絶されている」と指摘する。倍以上の年収で外資に転じる博士が後を絶たないのは、国内企業の待遇の悪さの裏返しだ。

    「社会」に出ても稼げないため、日本の博士号保持者の75%は大学など研究機関に所属する。日本では1990年代に政府主導で博士を増やしたが、民間で受け入れられずに雇用が不安定なポスドク問題の温床となった。科学技術振興機構の永野博研究主幹は「採用されるような人材を、大学側が育ててこなかった面もある」と振り返る。

    米国では博士の4割が企業で働き、イノベーションの原動力になっている。高度人材の育成と確保は、国家の競争力も左右する。雇用慣行と教育現場。2つのアプローチで改革を急ぐ必要がある。(北爪匡、小河愛実、生川暁。 NIKKEI)

    

40歳までの研究者に年700万円 政府支援へ

20191242155

 政府は若手研究者に最長10年間、年700万円の支援にのりだす。検討中の経済対策に盛り込む方針。任期付きの雇用が多い若手研究者が長期間、研究に専念できる環境づくりをめざす。

 500億円規模の基金を新設し、40歳までを目安に対象とする。数年間で最大700人を選び、追加で所属する大学や研究機関での研究環境の整備費用なども上乗せされる。期間は原則7年間だが、最大3年間の延長もできるようにするという。

 日本の研究環境をめぐっては、注目度の高い論文数の世界シェアはこの10年間で4位から9位に落ちた。40歳未満の国立大学の教員のうち、任期付きの人の割合は2007年の38・8%から17年は64・2%に増加。士課程から博士課程への進学率も減少傾向で、研究力の強化には、若手研究者の支援が不可欠だという意見が出ていた。(合田禄 。朝日新聞)

 


自民党内で「企業優遇丸もうけ」批判、センセイ大丈夫? そして結果は

毎日新聞20191212 1320(最終更新 1212 1523)

深津誠

 

 124日、自民党税制調査会の「平場(ひらば)」と言われる、議員なら誰でも参加できる小委員会。この日は、「マル政」と呼ばれる案件を議論する日だった。「マル政」とは、政治の「政」を「○」で囲った記号のこと。政治決着が必要な案件を指しており、この審議で税制改正項目が最終的に絞り込まれる。いつものように審議を取材しようと自民党本部9階の廊下で待っていると、「自民党らしからぬ」発言が耳に入った。

 「(企業の)内部留保が積み上がったのは、過去に法人税を下げたからだ。法人税を下げても給料や設備投資に回らないと証明されている。そのうえ、ベンチャーへの投資を減税したら企業が丸もうけになる」

 歴代自民党政権は、消費税率を引き上げた一方で法人税を減税してきたため、「企業優遇」という批判が野党側にある。そんな野党に似た発言が自民党の議員から出るとは正直、驚いた。

 議員が言及したのは、減税をテコに企業の内部留保をベンチャー投資に向かわせて共同研究開発を促す「オープンイノベーション税制」のことで、今年の税制改正の目玉のひとつだ。企業の内部留保のうち現預金は240兆円に膨れ上がっている。これを吐き出させれば経済全体の活性化につながる――との考えから、大企業なら1億円以上を設立後10年未満のベンチャー企業に投資すれば、投資額の一定割合を控除して法人税負担を軽くする。

 要望した経済産業省が議員に配った資料には、「自前主義では新たなビジネスの芽は生み出せない」「240兆円を解放し経済成長に回す。今が最後のチャンス」といったやや扇動的な文言が並ぶ。資料でオープンイノベーションの成功例として挙げられているのは、ソニー、富士フイルム、トヨタ自動車。なるほど、新税制の恩恵を受けるのは、こうした大企業なのだろう。昨年は研究開発減税を拡充して自前の研究開発を優遇し、今年は自前主義の限界を示唆――。矛盾しているようにみえるが、大企業にあの手この手で助け舟を出すという点で首尾一貫していると感じる。平場の議論では、賛成多数だ。

 この日の小委員会の審議では、元財務政務官の大岡敏孝衆院議員(47)も「オープンイノベーション税制」に反対の論陣を張った。「四面楚歌(そか)、多勢に無勢だが反対。(企業が)損したら税金で補塡(ほてん)し、得しても税金で追い銭がある。ベンチャーへの大企業支配が強まる」と訴えた。

 自民税調の「甘利明会長肝いり」(ある議員)とされるこの税制に、真っ向から反対する…


(森敏)
付記:

以下小生の独断と偏見です。

 受験産業界の連中や経団連などの企業人が、文科省の大臣や官僚とつるんで、小、中、高、大学への受験制度をいじくりまわして、「グローバルに活躍できる人材育成を」と大学に迫って、産業競争力の強化のための教育改革を狙っている。実にばかげたことである。
藤原正彦氏は、雑誌文芸春秋で、最近の文科省の英語教育改革について
・英語教育が国を亡ぼす
・英語教育は国民のエネルギーの壮大な無駄
・語学ができるほどだんだん馬鹿になる(英文学者中野好夫の言)
・英語、IT、プレゼンは小手先技術
と徹底的にこき下ろしている。
   

  大企業はリーマンショック以降につぶした自前の研究所を、本気で復活して大学からの博士課程卒業者を優先的に積極的に受け入れるべきである。大学に金を出さず口だけ出すなと言いたい。いつまで企業人は「会社では博士出身者は融通性がなくて使い勝手が悪い」と言い続けるのだろうか? 今日、多様な個性を生かせないのは、会社の上層部の指導能力の欠如のせいだろう。

  博士課程に学生が進学してこなくなっているので、日本の大学のほぼ全分野で戦力が低下して、大学発の先端的研究成果の発出力が低下し続けていることは明々白々である。

  科学技術という抽象的な課題は国民うけがいまひとつなので「選挙の時の票に結びつかない」と国会議員選挙の候補者は考えているのだろう。研究者育成推進のみを選挙のスローガンにワンイッシューとして掲げる候補者が出ないだろうか。大学は危機である。大学人は団結すべきである。自衛隊は団結して国会議員佐藤正久 1等陸佐 (参21回(比例区)、参23回(比例区)、当選2回)を当選させているではないか。大学人は自衛隊の結束力に学ぼう。




2019-11-26 17:23 | カテゴリ:未分類

         なによりも強行軍の全部で4日間の日程を82歳という高齢のローマ教皇フランシスコが、精力的に実に生真面目にこなしている姿には感嘆の念を禁じ得なかった。少し足を引きずりながら演壇に歩む姿は、小生自身の足腰の老化度合いから推測するに、歩きの移動は大変な負担であったのではないだろうか。

 

テレビでは断片的にしか教皇が何をしゃべったのかが報道されていなかったのだが、幸い1126日の東京新聞だけが長崎と広島での教皇の演説の全翻訳文を一ページ全面を割いて掲載していた。(今後バチカン法王庁が訳文をネットで発信するかどうかわからないが)

 

宗教界の頂点に立つ人物が、無宗教の小生から見て、何を訴えているのか、非常に興味があった。

 

東京新聞の訳文はいささか生硬で、直ちには理解しにくい訳文であったが、我慢して3回繰り返し読んでみた。演説は相変わらず旧約や新約聖書のように、言い回しがくどいのだが、抽象的な言い回しが少なくて、小生にも教皇の言いたいことが何とはなしに、理解できたように思う。まず、実に熟慮に熟慮を重ねた、よく練られた論理展開であると思った。

 

しかし、結論から言うと、戦後、広島長崎の災禍を嫌(いや)というほど聞かされてきた、小生にとって、教皇の言っていることは、異論の余地なく100%まともなことである(当たり前のことである)という感想を持った。まじめにていねいに読めば、日本人の多くの世代の人もそう感じることと思う。

 

だから、長崎・広島でのローマ教皇の演説は、いうまでもなく、日本人に対してばかりではなく、主として全世界の宗教界へ向けてのものだったのだろう。人類の原罪(ジェノサイト)の原点である長崎・広島の地から、警鐘を発信したかったのだと思う。(もう一つのジェノサイトはアウシュビッツだろう)

 

問題は、その教皇の言う当たり前のこと、人間倫理の「原理・原則」に、人類の感性が鈍磨して <すれっからし> になって鈍感になりかけていることにこそ、教皇が繰り返し警鐘を鳴ら続けている本心なんだろうと思う。

 

以下に、わかりやすい引用をしておきたい。

 

::::軍備拡張競争は、貴重な資源の無駄遣いです。本来それは、人々の全人的発展と自然環境の保全に使われるべきものです。(長崎演説)

 

戦争のための最新鋭で強力な兵器を製造しながら、平和について話すことなどどうしてできるでしょうか。::::::::武器を手放さなければなりません。武器を手にしたまま愛することはできません。(広島演説)

    

    

以下は教皇が天上から地上に遣わされた神(主)の使徒である、という観点から読むと、一見不可思議な表現ですが、意味が読み解けますね。

 

主よ、私をあなたの平和の道具としてください。憎しみがあるところに愛を、いさかいがあるところに許しを、疑いがあるところに信仰を、絶望があるところに希望を、闇に光を、悲しみあるところに喜びをもたらすものとしてください。(長崎演説終わりのあたり)

 

私たちの時代に、私たちのいるこの世界に、平和が来ますように。神よ、あなたは約束してくださいました「慈しみと誠は出会い、正義と平和は口づけし、誠は地から萌(もえ)出で、正義は天から注がれます」

主よ、急いできてください。破壊があふれた場所に、今とは違う歴史を描き実現する希望が溢れますように。

平和の君である主よ、来てください。私たちをあなたの平和の道具、あなたの平和を響かせるものとしてください!(広島演説最終部分)
 
(森敏)
追記。本日幕張メッセで開催されている「日本の食品輸出EXPO」に参加して、出店している店舗を見学していると、長崎から出店している店があり、そこの女性の説明員の話を聞いているうちに、彼女から、「私は先日のローマ教皇の話を長崎で直接聞いた」という発言があった。演説の全文をネットからダウンロードして読んで感激した、ということであった。法王庁がネットで発信しているんだそうである。小生が上記の文章を書いた時点では、ネットでは確認できていなかったのだが。。。「前教皇の場合も、今回の教皇の場合も、演説の直前まで雨が降っていたのに、晴れ上がったんですよね。後光がさしたんですよね。奇跡ってあるんですね!」と彼女は感激の様子でした。クリスチャンなのかもしれない。(11月27日 記)

今調べたところ、長崎と広島の演説全文は、以下の NHK NEWS WEB で見られます。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191124/k10012189341000.html

2019-11-15 16:23 | カテゴリ:未分類

福島県双葉郡双葉町細谷 の道路から150段ぐらい上がると山頂に羽山神社というのがあり、そこから南西を眺望すると、1.3kmぐらい先に東電第一原発の原子炉の5号機や6号機があるはずである。しかし、現在すでにいろいろの建物が建設されてきているので、この角度からは2つの原子炉は隠れて見えない(図1)。
スライド2 
図1.東電福島第一原発敷地を羽山神社から南西に眺めると。。。。。

   

さかのぼって、東電の平成27年の資料の図面によるとこの地域に「雑固体廃棄物焼却設備」が<建設中>と記されていた。が、その後、東電の2019年1月31日の資料の図面では、この「雑固体廃棄物焼却設備」は完成したようである。
  

https://www.meti.go.jp/earthquake/nuclear/decommissioning/committee/osensuitaisakuteam/2019/2-3.pdf

  

それが図1の左の煙突が立っている全面が白色で覆われている建物と思われる(この写真では煙突はぼけて見えるが実際は2本が重なって立っている)。この東電の資料の図面には、敷地内のこの新規建造物の周辺には毎日の除染作業員から出た膨大な「使用済み保護衣服」や敷地内の森林伐採汚染雑木などの置き場があちこちに散在して、結構な敷地面積を占めているように描かれている。なので、ここではこれら原発敷地内で生じた「放射能汚染雑固体」を東電はいよいよ焼却による減容化処理に踏み切るのかもしれない。煙が出ていないので実際の焼却はまだ可動していないようだが。(どこかで東電は敷地内での減容処理に関する発信をしているのかもしれないが、小生はニュースでは確認していない)

     

この建物以外に図1では中央右側にしっかりした高い煙突のある建物が急ピッチで建設中である。これは東電の2019年1月31日の資料の図面では全く示されていないが、何かの放射能汚染物質の焼却場であると思われる。木の枝に隠れて見えにくいのだが、高い煙突がそびえている。11月9日の段階では建物の白い壁の面積がほぼ完成に近くおおわれており、2週間前に眺めた10月27日の時点から比べて急ピッチで進捗していた。

  この2つの建物群を見ながら過去8年間の減容化の動きについていろいろなことを思い出した。

  

過去にさかのぼれば、このような焼却による減容化施設はすでに平成26年度から環境省によって飯館村蕨平(わらびだいら)で住民の苦渋の選択により施設が稼働実施されている。(しかし小生はこれまで、この施設の現場を外からでも見学してはいない)

https://www.vill.iitate.fukushima.jp/uploaded/attachment/2083.pdf

飯舘村蕨平地区における可燃性廃棄物減容化事業について
   
スライド1 

図2.減容化施設か?   
     

今回も、偶然発見したのだが、11月9日に郡山から浪江町に至る道路の途中に図2のような施設があり、煙突から白色の水蒸気様の煙が立ち上っていた。この施設は一見して、真っ白な壁で囲われた閉鎖系であるので、単なるごみ焼却場ではなく放射能の汚染物を処理する焼却場ではないかと思われる。車で急いでいたのでよく確認できなかったのだが、建物の看板に「安達地方広域行政統合」などの文字と6社のロゴが示されていたので、コングロマリットであると思われた。大中小の土建業者などが相応に利権を分け合ってこの工場は建設されて可動しているものと思われる。

 

     

実は、小生は以下のブログで述べているように、原発事故暴発の年である2011年の9月の段階で、放射能汚染土壌などの減容化を頻繁に提案した。その後、あまりにも行政の動きがちんたらしていたし、基本的には除染技術の実践は住民の説得と土建屋さんの談合のテーマなので、途中で、この件には関わらないことにした。関わりようがなかったといった方が正しい。

  

第2回除染学会で、小生が、会場で「ダイオキシン処理施設や高温ロータリーキルンなどによる焼却による減容化をなぜ進めないのか?」と質問した時に、ある通産官僚のOBが小生に囁いてくれた言葉が忘れられない。

   

「大手各社が足並みを揃えて、除染技術を確立しなければ、どこか一社が突出したら各社が膨大な除染予算の利権にありつけないからだよ」。


    

減容化に関して、以下のWINEPブログをご参考ください。

  

2014/06/30 : 意外に早く「放射能汚染土壌の減容化技術」は達成するかもしれない

2012/08/29 : 再論:ロータリーキルンによる放射性セシウム汚染土壌の減容化について

2012/03/24 : 環境省による減容化実験の公募採択課題について

2012/02/22 : 今度こそ本物であってほしい

2012/01/20 : 「灰は危険」とばかり言わずにそこから「教訓」を導き出すべきだ

2012/01/03 : 大成建設はやる気らしい

2011/09/19 : 農水省の「ふるさとへの帰還に向けた取組」は剥離表土の出口が問題

2011/09/03 : 提案17:放射性セシウム濃厚汚染表土は汚染現場で焼却処理すべきである

        

現在上記に紹介したように少なくとも草木の減容化技術はほぼ実証試験で確立して、減容化事業は、詳しく報道はされていないが、放射能の強度汚染地域で、住民が帰還できていない地域では、避難住民がやむなく受容できる事業として、あちこちで行われているものと思われる。

 


(森敏)
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