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2019-10-04 09:39 | カテゴリ:未分類

本日(10月4日)の東京新聞には

 

「愛知トリエンナーレ2019」に対する補助金について、文化庁が一度決めた7830万円を交付しない、と決めた。そのことに対して、文化庁有識者委員野田邦弘鳥取大特命教授が

 

;;;;「後出しの理由)で不交付にされたら、自治体はたまったものではない。文化だけでなく、学術研究など、あらゆる活動が自粛していく。」と強い懸念を示し、委員の辞任を申し出た、と報道されている。実に正論であると思う。
    
  大学の研究者は科学研究費や競争的資金の受領者として、すでに決定された交付額を年次計画の途上で、減額されることがたまにある。小生の経験では競争的資金の場合は年度末に突然わずかに増額されることもあった。そういう突然の交付金の変動が起こるのは、政治家が主導でさまざまな思惑から毎年の国家予算の方向性を決めている中でも、何かの突発事項が起こったばあいには、そちらに国家予算を振り向けるために、真っ先にまず立場の弱い文科省予算からの吸い上げ要求が内閣府から来るからである。これはいわば緊急事態の場合である。


  そういう場合に備えて、文科省予算の競争的資金の場合には、「統括斑」があらかじめ、一定額を内部留保をしていて、大きな緊急事態が何もなかった年度の場合は、留保分を再分配するという場合があった。また、リーマンショックなどの景気変動で急激な税収の減少を招いたりする場合は年次予算の配分の大幅な減額が来て、小生が予定していた大型の機器が買えなくて非常に困ったことがあった。
 
  しかしこれまで、一度交付決定された予算が、その後不採択とされるような「ちゃぶ台返し」は文教予算では聞いたことがない。
      
  今回のように、すでに交付が決まっていて、すでに実施(開催)されている事業に対して、いまさら全く理不尽な「書類不備」などというばかげた理由で、予算の交付を撤回するという、「ちゃぶ台返し」は、法治国家としては決してやってはならないことである。
   
  今回のような、有識者会議などのあらゆる手続きをしない、不交付決定手続きの記録も残さない「不交付決定」は、萩生田光一新文部大臣が自分の存在をアピールするために、文化庁官僚に忖度させた、権力の乱用の所業としか小生には思えない。彼は独裁者だね。
   

  このような「後出しじゃんけん」で表現の自由を圧殺する手法が容認されれば、冒頭で紹介した野田邦弘特命教授がいみじくも語っているように、この忖度の「雰囲気」はじわじわと真綿で国民自身の首を絞めていくことになるだろう。事前の思想検閲に備えた忖度や自粛がすでに日本の各自治体で始まっているようだ。実に不快な底流だ。







(森敏)

追記1. 


結局『不自由展』は再開されたが、再開初日に河村たかし名古屋市長が会場前で座り込みして再開に抗議したとのこと。芸術の何たるかを理解していないこの人物はちょっと常軌を逸しているね。悪しきポピュリズムだ。この「表現の自由」に権力的に介入したがる政治家としてのポピュリズムは、ブーメランのようにいつか自分に跳ね返ってくるかもしれない。

話が横にそれるが
ドイツでは第二次世界大戦中のナチスの極悪非道であったユダヤ人600万人虐殺の展示を、あちこちの市町村が街角で常設している。これは断固として国が決めた過去の反省に立った「自己批判」と思われる。見る人が見ればドイツ政府自身による自虐史観的展示行為とも言えるものである。それでも戦後80年もたてば、世代変わりして、歴史が風化し、現今のようにネオナチが台頭してくるのだ。

追記2.


以下の国会答弁は萩生田光一詭弁だ。立法府で紅顔無礼な彼を何らかの処分をできなければ、今後も彼に勝手気ままな独裁的行政をさせないために、司法での裁判しかないだろう。愛知県知事は頑張ってほしい。傲岸な親玉を抱えることになって、全国の大学教員たちや文部官僚たちが苦虫をかみつぶしていることだろう。
  
  

「不自由展」補助金不交付 文科相は手続き不備強調 衆院予算委

毎日新聞20191011 1236(最終更新 1011 1236)

   

 萩生田光一文部科学相は11日午前の衆院予算委員会で、国際芸術祭「あいちトリエンナーレ」の企画展「表現の不自由展・その後」に関して「会場の安全や事業の円滑な運営にかかる事柄について、必要に応じ適宜の方法で申告していただくことが相当で、事業計画書の中に書けばよかった」と述べた。補助金の不交付決定の理由について、内容ではなく申請手続きの不備が理由であることを強調したもの。国民民主党の岡本充功氏への答弁。 
  
 
追記3.


以下、どこまでも ピントが<ずれまくる>河村市長。ちょっと救いがたい。
  

河村市長「不自由展支援しない」 大村知事は市長に謝罪など求め質問状

毎日新聞20191011 2030(最終更新 1011 2030)

 

8日に再開した国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」の企画展「表現の不自由展・その後」について、名古屋市の河村たかし市長は11日、、「市は企画展を支援しない」と表明した。 「多くの人が快く思わない可能性のある作品がある。(閉幕までに)時間がなく、市民を守る必要がある」と理由を述べた。芸術祭実行委員会会長の大村秀章・愛知県知事の携帯電話に直接電話し、留守電に吹き込んで通告したという。河村市長は報道陣の質問に対し、「社会的責任がある」とし、芸術祭の運営には協力する考えを示した。市の負担金支払いは明言を避けた。

 一方、大村知事は11日、8日の再開時に会場で抗議行動をしたとして、河村市長に謝罪と再発防止の確約を求める公開質問状を出した。

 河村市長は「陛下への侮辱を許すのか」と書かれたプラカードを掲げ、会場の愛知芸術文化センター(同市東区)敷地内に座り込んだ。大村知事は同センター条例の不許可掲示に当たるとし、「右翼を標ぼうする団体と一緒にヘイトスピーチまがいのシュプレヒコールを上げた。軽率だったでは済まされない」と指弾した。河村市長は報道陣に「(抗議は)芸文センターの外。団体とは関係ない」と説明した。【野村阿悠子、竹田直人】 
   
 
芸術祭の検証委設置へ 名古屋市、負担金の支出で

2019.10.15 13:41 産経新聞

 名古屋市の河村たかし市長は15日の定例記者会見で、企画展「表現の不自由展・その後」を開いた国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」の開催費用を巡り、不自由展実施の経緯を調べ、市負担分の支出の是非を判断する検証委員会を近く設置すると表明した。
 

 芸術祭実行委員会の会長代行を務めた河村市長は不自由展開催に強く反発してきた。会見で「なぜこんなことになったのか。公共事業としてふさわしかったかどうか検証しないといけない」と述べた。

 トリエンナーレは総事業費約12億円のうち、市は約2億円を負担する予定。18日が期限の約3380万円の支払いを当面留保する方針を改めて示した。残額は既に支出している。

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追記4.大村愛知県知事は実にまとも。この問題を風化させないために、裁判で法廷に萩生田光一文部科学相を引きずり出そう。
    

国際芸術祭への補助金不交付は不当

愛知県が不服申し出へ

20191023日NHKニュース

文化庁が愛知県で開かれた国際芸術祭への補助金を交付しないことを決めたのに対して、愛知県の大村知事は、決定は違法で不当だとして24日、文化庁に対し不服の申し出を行うことを発表しました。

今月14日に閉幕した国際芸術祭「あいちトリエンナーレ」をめぐっては、慰安婦を象徴する少女像や、天皇をコラージュした作品などに脅迫や抗議が集まりました。

この国際芸術祭について文化庁は先月、補助事業の申請手続きなどが不適切だったとして、およそ7800万円の補助金を全額交付しないことを決め、これに対して愛知県が裁判などで争う姿勢を示しています。

こうした中、大村知事は23日午後6時から臨時で記者会見し、文化庁の決定について「問題とされている企画展は106ある企画の1つで、予算も全体の0.3%にすぎないにもかかわらず、全額不交付になったのは裁量権を逸脱している」と述べました。

そのうえで「今回の決定は処分の理由に具体的な事実が特定されていないうえ、ずさんな調査や審査であり違法で不当だ」と述べ、24日、文化庁に対し不服の申し出を行うことを発表しました。
 
追記5.その後再開された 国際芸術祭「あいちトリエンナーレ」 の最中に出展アーテイストとの対話で、河村たかし市長は、
「大多数の人が不快に思う展示を公共の費用でするのはいかんじゃろうがね」と堂々と述べている。
この人物は <アート> と <選挙運動> を多数決原理で判断すべきだと 同列に置いてみてるんだということがよくわかる。
ちょっと救い難いね。

2019-05-22 06:27 | カテゴリ:未分類

  50年以上前の話である。
  
  統計学の名著であるスネデイガー、コクランの「統計的方法」の翻訳者である奥野忠一先生は、確か、当時は農水省の統計調査関連の部署におられたが、東大農学部の学生に対しても統計学の講師として出向いてきてくれて、主として実験計画法とその有意差検定法について、様々な事例を使って丁寧に統計学の初歩的な授業をしてくれた。(先生はのちに東大工学部の教授に転出されたと記憶している)

 

  先生の授業の中で、今でも印象に残っている言葉は、

「日本の統計は世界に冠たる信頼性のおけるものである」

というものであった。それは自分たちが日本の統計学を牛耳っているからである、という自負からくるものであったのではないかと今にして思う。

 

  爾来今日に至るまで、小生はその奥野先生の言葉を信じて、農林統計などは、活用させてもらっている。
各種作物(イネ、コムギ、オオムギ、トウモロコシなどなど)の国内総生産量や反当り収量の変遷、
各種肥料(窒素、リン酸、カリ、微量要素)の国内総生産量や反当り施用量の変遷、
各種農薬(除草剤、有機塩素剤、有機りん剤)の国内総生産量や反当り施用量の変遷などなど、
である。それらの統計データは、今から考えてみても、当時の日本の農業の変遷の実態をよくとらえて説明できていたと思う。

 

  ところが、である。最近の裁量労働制などの国会審議に伴って明るみに出てきたのが、厚労省による、データの改ざん(フェイク)である。安倍内閣の意向に沿った厚労省によるデータのねつ造や改ざんとしか思えない行為は、日本の統計の信頼性を根底から覆すものである。この問題は労働問題にはてっきり素人の小生にはあまりに複雑すぎて、口出しはできないものではあるのだが。
   
  しかし、この官公庁の役人によるデータの改ざんや、意識的なデータの間引きや、積極的な未採集、などは、日本のすべての官公庁に今や、蔓延しているのではないか? 下手をすると今日の農林統計なども融解が始まっているのではないか? と思わせるものがある。

 

  末端役人で調査データを収集させられる身になって考えてみると、余りに上層部からの内閣に対する忖度(そんたく)的な締め付けがきびしいと、

「どうせまじめにデータを収集しても、時の内閣によって、データがつまみ食いされてフェイクされるんなら、いい加減なデータをねつぞうしておこうぜ! 調査には、時間も、人手も、お金もかかるんだから、そんなことやめて、鉛筆をなめて数値を内閣の方針に合わせて迅速に適当に作る方が安上がりだし」

 

という、気持ちになりかねないだろう。こんな風に末端役人の行政意欲がとろけてしまうと、内閣府(行政機関)の政策基盤となるべき、信頼性の高い経年データが残されて行かないので、国による将来に向けての各省庁の政策を大きく誤らせる結果を招来することになるだろう。いや、すでにそうなっているような気がする。

 

  「忖度統計データ」をフェイクすることほど国策を誤らせる行為はないだろう。国がとろけるだろう。今でも安倍内閣の支持率が高いということは、そういうフェイクデータによる幻覚に国民が徐々に慣らされつつあるからかもしれない。

  近年頻繁に時宜に即してタイミングよく流されるNHKや内閣府による各種世論調査、各新聞社や調査機関による世論調査など、どこまで信用ができるのか、強く疑ってかかる必要がある。このような調査は母集団を如何様にも操作できるので、調査結果の発表自体が今後の世論の動向を左右しかねないからである。

 

  昔、25年前に「高度術社会のパースペクテイブ」(竹内啓研究代表: 数理統計学の権威. 現在学士院会員)という文科省の総合研究プロジェクトがあった。小生も総括班に参画させていただいていた。このプロジェクトには日本のいろいろな分野の統計学の専門家が参集していた。先日この中のメンバー3人に話を聞くと、今日のように、日本の調査統計がとろけ始めたのは、文科省などの統計研究分野に研究費が来なくなったのが大きい。それと同時に統計学研究者たちが、統計の重要性を、長らく社会に発信してこなかったから、国民が統計データは正しく収集されていることが当たり前、と考えてしまったからではないか? 研究者の中では行政によるフェイク統計の時代が来るなんて誰も考えていなかっただろう」ということである。

 

  公害問題が沸騰していた1970年代は増山元三郎、高橋晧正などの統計学者が真相究明に大活躍をした。

 

  今回を機に統計データの信頼性回復の手法について、統計学者の間で、真剣な議論を巻き起こしてもらいたいと切に思う。最終的には、そのソフトに掛ければその統計手法がインチキであるということが一目瞭然で判明するというシステムソフトを開発してほしい。これは愚かな統計学に無知な夢だろうか?

 
  
     
   
(森敏)
 
追記1:「統計でウソをつく方法」(ダレル・ハフ著 高木秀玄訳 BLUE BACKS刊)という有名な本がある。
この本にはテレビなどで印象操作されたデータやグラフにごまかされないための、基本的な知識が書かれている。ためになる本だと思う。
 
追記2: 以下転載記事です。
   

もうこれで「幕引き」なのか 統計不正審議で残る疑問 

朝日新聞2109年5月22日11時30分

 

 国の基幹統計である厚生労働省の「毎月勤労統計」で明らかになった不正問題。不正は他の統計にも波及し、国の統計への信頼を揺らがせる事態になった。開会中の国会では野党の追及が続いているが、政府側の答弁は従来の内容をなぞり、不正の背景はわからないままだ。6月26日の国会会期末に向け、このまま問題は「幕引き」となってしまうのか。

 21日の参院厚労委員会。毎月勤労統計の不正問題をめぐる集中審議は、野党側が追及したものの、政府側の答弁に新たな内容はなかった。国会会期末に向け、統計不正の集中審議は予定されておらず、与党は問題を幕引きとする考えだ。

 賃金動向などを調べる基幹統計の一つ、毎月勤労統計は、従業員500人以上の事業所は全て調べるルールだ。だが、厚労省は2004年に東京都分を抽出調査とする不正を開始。18年1月からは不正データを本来の調査結果に近づけるデータ補正もひそかに実施していた。

 だが、これらの不正がどういう経緯で始まり、なぜ途中で補正されたかの解明は不十分なままだ。

 根本匠厚労相が「第三者委員会」と位置づけた特別監察委員会の報告書は、担当職員らが不正を知りながら外部に伝えなかったことを「うそをついた」としながら、「意図的に隠してはいない」と組織的隠蔽(いんぺい)は否定。不正の詳しい動機なども読み取れない。

 この問題では、賃金データを上ぶれさせた18年1月の調査手法変更に首相官邸の意向が影響したかどうかも大きな論点となった。政府側は「影響はなかった」と主張したが、監察委は「検証の対象外」として調べなかった。

 野党は厚労省から補助金をもらう外郭団体の理事長が監察委のトップだったことから、「客観性に問題がある」などと批判する。

 21日の集中審議でも、立憲民主党の石橋通宏氏が報告書を念頭に「どうみても組織的な隠蔽なのに、監察委がそう認定しなかった。国民は信用していない」と批判した。これに対し、監察委の荒井史男委員長代理(元名古屋高裁長官)は「批判があることは承知しているが、監察委が客観的に調査した結果だ」と譲らなかった。

 この日の審議を通じ、厚労省が所管する一般統計の72調査のうち8割強の62調査で結果の数値の誤りや手続きの問題があったことも判明した。根本厚労相は「重く受け止めて、再発防止の対策を前に進めていきたい」と述べた。

 国民民主党の川合孝典氏は「(統計不正は)現場がやったと切り捨て、本来責任をとるべき人間が責任を取ろうとしない。そんな姿勢で再発防止はできない」と根本氏らを批判。野党からは「夏の参院選でも統計問題を争点にしないといけない」との声も上がる。

 国の統計に対する国民の信頼は揺らいだままだが、与党側は「すでに沈静化した問題で、新しい話も出ない」(自民党議員)との姿勢だ。与党のある幹部は「複雑で理解が難しいテーマは参院選の争点にはならない」と言い切る。(村上晃一)

 

追記3:本屋で漫画本を探しにいって、目的の本がなかったので、新書版の背表紙に目を移していたら、なんと、

「統計は暴走する」佐々木弾著 中公新書ラクレ刊 
という本があった。初版が2017年9月ということである。
著者は東京大学社会科学研究所教授という事である。
この本のことは全く知らなかったのだが、
わかりやすく 統計の魔術 が紹介されている。
サブタイトルは以下のようになっています。

統計以前の問題
統計はだます 詐欺・偽装編
統計は盗む 窃盗・横領編
統計は虐待する 中傷・虐待編
統計は殺す 殺人・環境破壊編
統計の暴走を許さないために

実に時宜にかなう刊行物ですね!
統計のインチキさを見抜く思想が満載されています。
嬉しいことに、この本の中には統計の数値や図表が一枚もなく、実に丁寧にわかりやすく書かれています。
これを読むと数学に弱い小生でも一皮むけて賢くなったように思いました。
2019-04-25 22:16 | カテゴリ:未分類

最近2つの葬儀に参加した。

 

  去る3月に89歳で肺炎で亡くなった、義兄 中平立(なかひらのぼる)元カナダ大使 の身内のみの葬儀のときに真言宗の僧侶がつけた戒名は

  護国院慈橋立和居士

というものであった。実名の立(のぼる)を取り込んだ「立和」は「りゅうわ」と発音してくださいとのことであった。「りつわ」と発音するよりもはるかに響きが良い。
その意味は、のぼる兄が生前外交官として世界各国の大使を務め日本国との連携を慈悲のこころで橋渡しをし、平な国際環境を立ち上げることに貢献したという意味を讃えてつけたのだそうである。

   令和(れいわ)ではなかったが「和」の文字が戒名に入っていたことは、元号「令和」制定の前で、全くの偶然だったが、覚えやすくてなかなかよい戒名だと思う。


  

  一方、話は変わるが、去る416日に84歳で心筋梗塞で森謙治東大名誉教授(学士院会員)が逝去された。その葬儀に関して、東大農学生命科学研究科・農学部広報課からの通知には
斎場:文京区日本基督教団西方町教会

喪主:森桂子(もりけいこ)殿(

 とあった。ここでの「御令室」の令は新元号の「令和」(れいわ)の場合と同じく(れい)とよみ「麗(うるわ)しい」奥方様(おくがたさま)という敬語であろう。
  弔辞を読まれた別府輝彦東大名誉教授(学士院会員)のあいさつでは、桂子夫人は森謙治先生のすべての学術論文の英文草稿のタイプ打ちを裏で支えてこられたという話であった。森謙治先生の論文は20年以上前の東大退官講演を拝聴して記憶しているのだが、当時でも600編以上にのぼっていて驚嘆した。その後も死の直前まで論文執筆をつづけておられて 
Tetrahedron Letters誌に投稿されたばかりであったということであるから、奥様のご貢献は並大抵のものではなかったと思われる。最近のご専門は多様なフェロモンの有機合成化学であった。
  ご夫妻はクリスチャンであり、文京区西方町のご自宅から歩いて東大正門前の本郷ルーテル教会に出かけて日曜礼拝を毎週欠かさずしておられたご様子で、小生は通勤の行き帰りに、お二人に時々遭遇していた。最近の先生は、とみにゆっくりになられた奥様の歩くペースに合わせて、奥様の後ろをゆっくりゆっくりと歩かれていた。歩きながらもきっと有機合成反応を思索されていたのだと思う。
     
昨今、何かと気になる「令」「和」の文字ではある。

 

 

(森敏)

付記: 中平立氏は初代の日朝交渉全権大使であった。エースとして送り込まれて、やる気満々だったようだが、会談の途中から 金賢姫(キム・ヒョンヒ)・元死刑囚の 日本語教育係「李恩恵(リ・ウネ)」だったとされる 田口八重子さん(不明当時22) の問題が突然出てきて、会談は7回目で決裂した。のぼる兄には、このことが死ぬまで心残りであったようだ。その後の日朝外交交渉の経過の詳細は以下を参照ください。



http://www.nhk.or.jp/gendai/articles/1238/1.html
2018-05-06 13:05 | カテゴリ:未分類

MBC NEWS

稲盛氏 「京都賞」賞金を1億円に増額へ [04/12 19:32]

京セラ名誉会長の稲盛和夫さんが創設した国際賞「京都賞」について、稲盛財団は12日、賞金を5000万円から1億円に増額すると発表しました。

「京都賞」は、鹿児島市出身で京セラ名誉会長の稲盛和夫さんが200億円を拠出し、1984年に創設しました。

先端技術、基礎科学、思想・芸術の3部門があり、科学や文明の発展に貢献した人に贈っているものです。

これまでに世界中で105人が受賞。ノーベル賞を受賞したiPS細胞の山中伸弥さん(2010年)や、青色発光ダイオードの赤崎勇さん(2009年)もノーベル賞の前に京都賞を受けています。

京都賞を運営する稲盛財団は、創立記念日となる12日、賞金を5000万円から1億円に増額すると発表しました。

今年で86歳になった稲盛さんは、「京都賞は社会への恩返しであると同時に私の利他の哲学の実践でもあります。今後さらに、受賞者の方々が世界に向け燦然と輝き続けることを願い賞金額を1億円に増額することにしました」とコメントを発表しています。

ことしの京都賞は、6月15日に発表される予定です。

ーーーーー

   上記のニュースにあるように、稲盛財団が京都賞の金額をノーベル賞並みの1億円にこの6月から増額したそうだ。これは研究者にとっては実に楽しくうれしい話だと思う。稲盛和夫氏の「利他の哲学」からくる勇気ある大胆な行為に心から敬意を表したい。
    
    そこで、ちょっと京都賞の過去の科学研究部門の受賞者を調べてみたら、この賞を取ってから後にノーベル賞を受賞した人物は、上記の記事にもあるが、山中伸弥、赤崎勇、大隅良典の3名である。この賞の推薦人や選考委員達には先見の明があったというべきなのかもしれない。
      
    一方で科学部門での日本人のこの賞の受賞者の中には西塚泰美、林忠四郎、伊藤清、赤崎勇、根井正利、金出武雄、本庶佑、山中伸弥など、いずれもノーベル賞クラスの人物であるが、京都大学関連(必ずしも卒業生ではないが)の研究者が他大学関係者に比べれば圧倒的に多い。この点では少し選考に偏りを感じないこともない。それが「京都」賞の特色なのかな。
     
  ところで、おおざっぱだが、これまでのところ日本発の賞で受賞金額が1000万円を超えるのを調べたところ以下の表1のようになった。詳しく調べたわけではないが、他に1000万円未満200万円以上の金額の賞は全科学研究分野を入れれば20件以上はあるのではないだろうか。創設当時と比べて物価高の今日では、この1000万円という金額はさほど高額だとは思えない。実際諸外国にはノーベル賞以外に一億円よりもはるかに高額の賞が存在する。今回の稲盛財団の勇気ある社会貢献に見習って、日本のその他の賞も賞金額を2-3倍に増額することを期待したいものだ。現在の好景気のうちに企業は高額の「内部留保資金」から系列の受賞財団に寄付して、その財政基盤を2-3倍にすることはさほど困難ではないだろう、と経済に疎い小生は勝手に思うのだが。(追記を参照ください) 
       
  ところで、これら表1の賞の選考や審査過程に関わる人物をネットで開示されている限り調べてみると、一人で3つもの賞にかかわっている人物がいる。これはちょっと問題かもしれない。  
            
                  表1  
  日本の賞jpeg 

 
   

(森敏)
追記1:大企業の今期の利益は以下の記事のごとし!
  
これらの企業の今年の利益のわずか1-2%で
トヨタ賞(2億円)や
ソフトバンク賞(1億円)
の基金が創設できるのではないだろうか。
  
           

トヨタ、最終利益2兆4939億円最高更新

20180509 1344Copyright © The Yomiuri Shimbun

 

 トヨタ自動車が9日発表した2018年3月期連結決算(米国会計基準)は、売上高が前期比6・5%増の29兆3795億円、最終利益は36・2%増の2兆4939億円と、いずれも最高を更新して増収増益となった。

 本業のもうけを示す営業利益は20・3%増の2兆3998億円だった。為替レートが前期に比べ円安に推移したことや、米トランプ政権の法人減税の影響などが業績を押し上げた。

 19年3月期の業績予想は、売上高が前年同期比1・3%減の29兆円、営業利益が4・2%減の2兆3000億円、最終利益が15・0%減の2兆1200億円と、減収減益を見込む。円高傾向を想定していることが大きい。

     

 

ソフトバンク、2年連続で最終利益1兆円を突破

20180509 1528Copyright © The Yomiuri Shimbun

 

 ソフトバンクグループが9日発表した2018年3月期連結決算(国際会計基準)は最終利益が前期比27・2%減の1兆389億円で、2年連続で1兆円を突破した。

 売上高は同2・9%増の9兆1587億円、本業のもうけを示す営業利益は同27・1%増の1兆3038億円だった。トランプ米政権による大型減税などで米携帯子会社スプリントの利益が伸びたことなどが貢献した。
 
追記2.稲盛さんは母校の鹿児島大学にも、つい最近200億円を寄付している。頭が下がりますね。

稲盛和夫氏の快挙

 
追記3.稲盛財団によると、2018年の京都賞は以下の人物に決まった。
    
稲盛財団は本日、第34回(2018)京都賞の受賞者にカール・ダイセロス博士(先端技術部門)、柏原正樹 博士(基礎科学部門)、ジョーン・ジョナス氏(思想・芸術部門)の3名を決定しました。
なお、本年の授賞対象分野は先端技術部門がバイオテクノロジー及びメディカルテクノロジー、基礎科学部門が数理科学(純粋数学を含む)、思想・芸術部門が美術(絵画・彫刻・工芸・建築・写真・デザイン等)です。
先端技術部門のカール・ダイセロス博士(46)は、本賞史上、最年少での受賞となります。

 

2018-01-11 15:46 | カテゴリ:未分類

  昨年以下のニュースが流れた。
  
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政府 地上配備型の迎撃ミサイルシステム 導入決定NHKニュース&スポーツ モバイルニュース) 

北朝鮮の核・ミサイル開発が新たな段階の脅威となる中、政府は19日の閣議で、弾道ミサイルによる攻撃に備えて防衛能力を高める必要があるとして、地上配備型の新型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」2基を導入することを決めました。

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イージス・アショアは、日本とアメリカが共同で開発している新型の迎撃ミサイルを搭載し、2基で日本全域をカバーできるとされ、配備先の候補地には秋田市と山口県萩市にある陸上自衛隊の演習場が検討されています。

また、1基当たりの価格は現時点で1000億円弱になる見通しで、政府は今年度の補正予算案にアメリカから技術支援を受ける費用などとして28億円、来年度予算案に基本設計などの費用として7億円余りをそれぞれ盛り込むことにしています。::::

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  現役の大学の研究者なら、イージス・アショアたった1基で1000億円という、その高額さにため息をつくところであろう。この2基の合計金額2000億円は下図1に示すように、全国の大学の研究者が毎年10万人強も応募している、文部科学省の「科学研究費」の年間予算と同額なのである。この研究費は彼らの研究の生命線である。しかも採択率は4人に一人しかない。(図1は文科省ホームページからの転載)
   
    

mori1.jpg 


    
  別の観点からであるが、このミサイル1基1000億円の予算があれば、現在約1万5000人以上いると思われる、日本の大学の臨時雇用のポスドク(博士研究員)の、約1万人の再雇用が成就でき、彼らは人生をあと1年間生き延びられる!   
    
  現時点での政府による防衛予算案であるから、常套手段として「北朝鮮」との軋轢をあおりたてて、防衛相がイージス・アショアの単価をここぞとばかり増額させるであろうことは目に見えている。元々兵器の予算などはどんぶり勘定だろうから。かくて安倍政権下での防衛省長官を筆頭に防衛官僚はざるのようにアメリカのトランプ政権に税金を垂れ流す政策を創作し続けている。彼らはイケイケどんどんで笑いが止まらない。
    
  一方で毎年多くのポスドクは失業して、研究断念を余儀なくさせられている。
     
  保険会社第一生命の毎年行っている、「将来何になりたいか」の昨年の児童に対する希望調査で、男児では、「博士・研究者」が一位なんだそうである。一昨年は「学者」が2位だった。
        
  国は、できもしない実害無益の戦(いくさ)の準備なんか止めて「子供が希望する未来に投資しろ!」と何度でも言いたい。
           
                   
(森敏)
追記1.以下の記事のように、この国では、せっかく意気に燃えて研究の世界に飛び込んできた人材を、経済的不安に陥れている。若手研究者はかくして研究不正を行うことになる。かくて、日本のサイエンスの世界が自分で首を絞めることになっていきつつある。
     

山中所長が当分 給与全額を寄付へ 京大iPS論文不正で

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京都大学iPS細胞研究所の助教が発表した論文にデータのねつ造などの不正があった問題を受けて、研究所の山中伸弥所長は、今月から当分の間、みずからの給与の全額を研究所の基金に寄付することがわかりました。

この問題は、京都大学iPS細胞研究所の36歳の助教が去年発表したiPS細胞に関係する論文に、ねつ造と改ざんの不正が見つかったもので、この研究には研究所が一般から集めた寄付金およそ230万円が使われたことがわかっています。

こうしたことから、山中所長はNHKの取材に対し、今月から当分の間、みずからの給与を全額、研究所が集めた寄付金で作った基金に寄付することを明らかにしました。

その理由として山中所長は、今回の不正の検証や再発防止策の検討、それに、これまで寄付した人への説明のためにiPS細胞の研究開発などの本来の仕事ができないため、責任を感じていることをあげています。

山中所長は「不正のあった研究に使われた寄付金の補填(ほてん)を意味するものではないが、自分自身の気持ちを納得させるためにも給与を寄付することにした」としています。

 


 

追記2.日本の科学論文数の低下は目を覆うばかり。
       
    
   
世界の趨勢を無視した科学技術戦略と全部連動していることである。長期にわたる科学研究人材育成へ投資への無視が、ボデイーブローとして一気に顕在化してきたのである。これから再建し始めても回復には10年以上かかるだろう。

  

     

科学論文数、日本6位に低下米抜き中国トップ

20180125 1513分 毎日新聞


論文数の推移jpeg    

    

【ワシントン=三井誠】科学技術の研究論文数で中国が初めて米国を抜いて世界トップになったとする報告書を、全米科学財団(NSF)がまとめた。

 中国を始めとする新興勢力が研究開発費を大幅に増やして力をつける一方、日本はインドにも抜かれ、存在感を低下させている。

 報告書は各国の科学技術力を分析するため、科学分野への助成を担当するNSFが2年ごとにまとめている。2016年に発表された中国の論文数は約43万本で、約41万本だった米国を抜いた。日本は15年にインドに抜かれ、16年は中米印、ドイツ、英国に続く6位。昨年、文部科学省の研究機関が公表した13~15年の年平均論文数では、日本は米中独に次ぐ4位だった。
   


   
追記3.またどぶに金を捨てた。(2018年2月2日 記)
  

米、ミサイル迎撃実験失敗 SM3ブロック2A 日本と共同開発 (産経ニュース)
    

【ワシントン=黒瀬悦成】米国防総省ミサイル防衛局は1月31日、日米で共同開発している弾道ミサイル防衛用の改良型迎撃ミサイル「SM3ブロック2A」の迎撃実験を行ったと発表した。実験の結果については明らかにしなかったが、米CNNテレビなど主要メディアは「実験は失敗した」と報じた。

 国防総省やCNNによると、実験は、ハワイ沖の航空機から発射された標的を、同州カウアイ島にあるミサイル訓練施設から発射されたSM3で迎撃するものだったが、標的を撃墜できなかったとみられる。

 失敗が事実とすれば、SM3ブロック2Aの実験失敗は、昨年6月に続いて2回連続となる。

 実験結果を公表しない理由について、国防総省はCNNに対し、北朝鮮が韓国・平昌五輪に参加するなどの微妙な情勢に配慮したためだと説明した。

 SM3ブロック2Aは北朝鮮の弾道ミサイルの脅威に対抗するため、海上自衛隊のイージス護衛艦や陸上配備型システム「イージス・アショア」に配備される予定。米国務省は今月、日本に同ミサイル4発などを総額1億3300万ドルで売却することを議会に通告していた。

    

     

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