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2020-08-26 12:05 | カテゴリ:未分類

近所の本屋に入ったら、入ってすぐの平積みの台に、今回の直木賞受賞作家馳星周や村上春樹の単行本のそばに、なんとジョージ・オーウェルの小説『1984年』の単行本が山積みされていた。なぜこの時期にこんな古い時代の本の読書需要があるのだろうか? とちょっと不思議だった。

  

この小説『1984年』は小生が高校生の時に、小説の核心部分を英語の短文で読まされたことがある。「こんなバカな監視社会が来るものか!!」 と思ったが、その後、共産主義国ソビエト連邦がそのまさにその実践国であり「モノ言えば唇寒し」親兄弟姉妹相互の監視社会であることを、学んだ。実際に訪問した東ベルリンではその雰囲気をひしひしと実感した。その後、1989年のベルリンの壁崩壊で、そんな国が内部崩壊して消えたと思った。ところが、ポスト毛沢東の中国では、鄧小平の号令の下、猛然と「資本主義的社会主義化」と称する近代化が進み、電子テクノロジー化によって、先日のこのwinepブログでも書いたように、完全なin situ (現場)人物同定監視社会」を中国は作り上げてしまった。

  ある意味でこれは、人間精神を相互に絞り上げる、きわめて完成した「超公理系の国家」である。近代科学の効率を極めるとこうなるのだろう、という壮大な実験国家となってしまった。ジョージ・オーウェルもビックリだろう。

 

本屋から、家に帰って、東京新聞の夕刊を眺めていたら、以下の北京駐在の坪井千隼記者による囲い記事があった。

  

この記者はこの記事で、今更ながら中国の監視社会の怖さを伝えてくれているが、今後とも彼の中国駐在中は徹底的な監視が続くと覚悟すべきであろう。反中国共産党的な記事が彼によって何篇か続くことになると、ある日突然、当局の諜報員に拉致されたり、国外追放されたりするだろう。

 

危険な仕事だが、それまで頑張ってもらいたい。外国人記者によってしか真の情報が世界に発信されなくなることは、ソビエト連邦の長い歴史が証明している。一見技術革新が進んで、アメリカに先んじて宇宙飛行まで行った1960年代のソビエト連邦のもとでは、政治犯のシベリアの「ラーゲリ」送りなどの殺人的人権侵害はもとより、惨憺たるたる国内公害が発生していた実情が、情報統制のために世界にはほとんど知られてこなかったのである。

 

中国は、いま、まさにその轍をさらに加速して走っている。このままいくと、いずれは、外国のマスコミの特派員は全部国外放逐されて、中国は鎖国国家となり、中国共産党はアナグマとなるだろう。世界の人々は中国国内の鮮度の高い正確な情報を何ら得られなくなることだろう。

  そうなると、中共と反中共連合のデカップリングの完成である。

 

歴史は繰り返す。
  中共が内部崩壊するか。
  中共による監視社会が科学技術で世界を制覇するか。
  中共と反中共連合の冷戦(中共の言う「超限戦」)がついに実弾による熱戦になり、原水爆で世界が破局に至るか。 
   
  話を戻すが、本屋での小説『1984』の山積みは、今更ながらではあるが、日本人が本能的に、本気で、現在進行形の中国の監視社会に対して、警戒心を急速に膨らませているということなのかもしれない。

         

           

中国・北戴河  監視社会の怖さ痛感

20208251600分 中日新聞

 

 中国有数の避暑地、河北省北戴河を今月上旬に訪ねた。毎年この時期に中国共産党の指導部と長老が集まる重要会議の開催地で厳重な警備が敷かれていた。

 下車した最寄りの駅で、求められるままにパスポートを提示。記者だと分かると、訪問目的や帰りの電車の時刻など詳しく聞かれ、顔写真まで撮られた。

 解放後に散策した海辺や街中は観光客であふれていた。夕方に人混みの中で警察官に呼び止められ、近くの店に連れて行かれた。店内には駅で会った警察官ら五人。そして告げられた。「帰りの電車の時刻は過ぎている。なぜいるのか」

 冷や汗が流れた。うっかりしたのは事実だが、「私のいる場所がなぜ分かったのか。ずっと監視していたのか」。聞いても返事はなかった。

 タクシーに何度も乗っており、尾行の気配は感じなかった。監視カメラと顔認証システムで、追跡されていたのかもしれない。中国は監視カメラ大国で、指名手配犯の追跡にも威力を発揮している。それは、政府に批判的な人間や記者も容易に監視できるということ。監視社会の怖さを痛感した。 (坪井千隼)

 

2020-05-15 10:13 | カテゴリ:未分類
  

  以下、やっと発表にこぎつけた、とりあえず本日の厚労大臣からの報告です。

  この数値から計算すると、人口約1400万人の東京都では、これまでに約84000人が感染したことになります。
     
  我々のこれまでの統計的推計値である最低30万人感染したはずの数値よりも少ないようです。
     
  しかし、明らかに、「集団免疫獲得」まではまだまだ長い道のりですね。
   
  根拠データの詳細な開示が望まれます。
       
  と同時に、今後も毎日ぐらいの発表が望まれます。
         
  ロックダウン解除した地方では、ことのほか、この抗体検査による細かな感染者の推移の観察が重要です。
         
  一昨日、東京都が抗体検査をやると宣言したので、国もあわてて、未完成だが、途中経過のデーターをあわてて発表したものと思われる。とにかく国はデータを隠したがるんだよね。

 

  
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新型コロナ抗体陽性率、東京で0.6

共同通信社

2020/05/15 09:00

 

 加藤勝信厚生労働相は15日の閣議後記者会見で、献血された血液で新型コロナウイルス感染後にできる抗体を調べたところ陽性率は東京都の500検体で0.6%、東北6県の500検体では0.4%だったと明らかにした。
 

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東京都、感染歴の有無を調べる「抗体検査」実施へ…6月から月3000件

2020/05/13 01:06

 東京都は12日、都内での新型コロナウイルスの流行状況を把握するため、感染歴の有無を広く調べる「抗体検査」を6月から始めると発表した。都立病院の患者らから血液の提供を受け、月3000件の実施を予定している。

 都の外郭団体「都医学総合研究所」が、東京大先端科学技術研究センターなどと連携して行う。1日当たり最大500件を検査できる機器を導入するほか、同研究所が開発した検査キットも活用するという。

 抗体検査は、経済活動の再開に向けた指標などにするため、欧米で導入の動きが広がっている。小池百合子知事はこの日、検査の目的について「地域ごとの抗体保有率などを調査することで、拡大防止対策に役立てたい」と述べた。

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(森敏)
  
追記1:この記事を書いた後に、文京区役所が聞き取りにくいのだが、街宣車で「新型コロナウイルス・・・・・」という警告を発して回っていた。初めて聞いた試みである。
   
追記2:以下の記事でマスクの効用がますます証明されたようだ。
  
https://www.jiji.com/jc/article?k=20200515040066a&g=afp

2019-12-19 06:23 | カテゴリ:未分類
  以下の日経新聞と朝日新聞と毎日新聞の記事は、日本の「研究者育成政策」の現状を紹介したものだが、危機的状況であることがわかる。
    
  毎年のノーベル賞受賞者などが、日本の研究者育成政策が危機的状況であることをいくら叫んでも、なぜかそれが政策に遅々としてしか反映されてこなかった。なぜそうなのかを、大学人、経済界、政治家はこの際根本的によく考えるべきだと思う。政治家がよく使う、言語明瞭意味不明瞭な言葉「抜本的」政策ではだめな状況に追い込まれているのである。
      
  以前にも(10年以上前から)このブログでも同じことを口を酸っぱくして、何回か述べてきた。

  

          2019/04/18 : 1兆2180億円の戦闘機投資
     
          2018/01/11 : 地上配備型の新型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」2基の値段2000億円は、日本の文科省の科学研究費(日本の全大学の研究者の生命線!)と同額

         2018/03/31 : 何をいまさら! 国の科学技術人材育成に対するたとえようもない鈍感さ

         2016/10/04 : 大隅良典先生おめでとうございます
            
          2013/12/15 : 先端技術と民生技術





だが、事態はさらに悪化する一方である。以下の記事からも、連動して科学研究成果の生産が急速に低下していることがわかる。



   


 

 

博士生かせぬ日本企業 取得者10年で16%減

 

    世界は新たな「学歴社会」に突入している。経営の第一線やデジタル分野では高度な知識や技能の証明が求められ、修士・博士号の取得が加速する。主な国では過去10年で博士号の取得者が急増したのと対照的に、日本は1割以上減った。専門性よりも人柄を重視する雇用慣行を維持したままでは、世界の人材獲得競争に取り残されかねない。

    「日本人だけでは定員を埋められない。経済学の修士課程は7割が留学生だ」。データ分析を駆使したミクロ経済学を研究する、東京大学の渡辺安虎教授は危機感を募らせる。今夏までアマゾン・ドット・コム日本法人で経済学部門長を務めた経験から「社会的なニーズは必ずある」と断言するが、日本人の大学院への進学意欲は乏しい。

    科学技術・学術政策研究所によると、欧米各国では2016年までの10年間に博士号の取得者が2ケタ増えた。修士号でも傾向は同じだ。企業などで上級ポストを射止めるには、高度な学位が必要だ。

    グーグルなど米IT大手に先端分野の技術者として入社するには、修士・博士号が最低条件だ。中国は自 国での育成に加え年5000人超が渡米して博士号を取得。帰国した人は「海亀族」と呼ばれ民間企業などで活躍する。

    一方、日本の博士号取得者は16年に15000人と10年間で16%減った。少子化は関係ない。この間に4年制大学の入学者は一貫して増えている。学生が専門課程への進学をためらい、日本は世界の中で相対的な「低学歴化」に沈んでいるのが実情だ。

大学などの研究者の収入が不安定な面は否めないが、企業の機能不全も深刻だ。

博士課程でAIを専攻した大山純さん(仮名)は今、国内電機大手でインフラ分野の営業と開発に従事する。採用面接では専門知識はほぼ問われず、逆にこう求められた。「学位取得より入社を優先してほしい」。結局、博士号は取らなかった。

    経団連は毎年、加盟各社が「選考時に重視した点」を調べている。上位を占めるのは「専門性」ではなく、「コミュニケーション能力」など人柄に関する項目ばかり。

    入社後も専門性は評価されにくい。30歳前後の平均年収を比べると、日本の学部卒人材が418万円なのに対し、修士・博士の大学院卒は524万円。その差は1.25倍だ。米国の修士の平均年収は763万円で、学部卒の1.4倍を稼ぐ。博士では915万円と1.68倍まで開く。

    高学歴者に高収入で報いるのは、世界の常識だ。社会学者の小熊英二・慶応義塾大学教授は「グローバルの人材評価基準から日本市場は隔絶されている」と指摘する。倍以上の年収で外資に転じる博士が後を絶たないのは、国内企業の待遇の悪さの裏返しだ。

    「社会」に出ても稼げないため、日本の博士号保持者の75%は大学など研究機関に所属する。日本では1990年代に政府主導で博士を増やしたが、民間で受け入れられずに雇用が不安定なポスドク問題の温床となった。科学技術振興機構の永野博研究主幹は「採用されるような人材を、大学側が育ててこなかった面もある」と振り返る。

    米国では博士の4割が企業で働き、イノベーションの原動力になっている。高度人材の育成と確保は、国家の競争力も左右する。雇用慣行と教育現場。2つのアプローチで改革を急ぐ必要がある。(北爪匡、小河愛実、生川暁。 NIKKEI)

    

40歳までの研究者に年700万円 政府支援へ

20191242155

 政府は若手研究者に最長10年間、年700万円の支援にのりだす。検討中の経済対策に盛り込む方針。任期付きの雇用が多い若手研究者が長期間、研究に専念できる環境づくりをめざす。

 500億円規模の基金を新設し、40歳までを目安に対象とする。数年間で最大700人を選び、追加で所属する大学や研究機関での研究環境の整備費用なども上乗せされる。期間は原則7年間だが、最大3年間の延長もできるようにするという。

 日本の研究環境をめぐっては、注目度の高い論文数の世界シェアはこの10年間で4位から9位に落ちた。40歳未満の国立大学の教員のうち、任期付きの人の割合は2007年の38・8%から17年は64・2%に増加。士課程から博士課程への進学率も減少傾向で、研究力の強化には、若手研究者の支援が不可欠だという意見が出ていた。(合田禄 。朝日新聞)

 


自民党内で「企業優遇丸もうけ」批判、センセイ大丈夫? そして結果は

毎日新聞20191212 1320(最終更新 1212 1523)

深津誠

 

 124日、自民党税制調査会の「平場(ひらば)」と言われる、議員なら誰でも参加できる小委員会。この日は、「マル政」と呼ばれる案件を議論する日だった。「マル政」とは、政治の「政」を「○」で囲った記号のこと。政治決着が必要な案件を指しており、この審議で税制改正項目が最終的に絞り込まれる。いつものように審議を取材しようと自民党本部9階の廊下で待っていると、「自民党らしからぬ」発言が耳に入った。

 「(企業の)内部留保が積み上がったのは、過去に法人税を下げたからだ。法人税を下げても給料や設備投資に回らないと証明されている。そのうえ、ベンチャーへの投資を減税したら企業が丸もうけになる」

 歴代自民党政権は、消費税率を引き上げた一方で法人税を減税してきたため、「企業優遇」という批判が野党側にある。そんな野党に似た発言が自民党の議員から出るとは正直、驚いた。

 議員が言及したのは、減税をテコに企業の内部留保をベンチャー投資に向かわせて共同研究開発を促す「オープンイノベーション税制」のことで、今年の税制改正の目玉のひとつだ。企業の内部留保のうち現預金は240兆円に膨れ上がっている。これを吐き出させれば経済全体の活性化につながる――との考えから、大企業なら1億円以上を設立後10年未満のベンチャー企業に投資すれば、投資額の一定割合を控除して法人税負担を軽くする。

 要望した経済産業省が議員に配った資料には、「自前主義では新たなビジネスの芽は生み出せない」「240兆円を解放し経済成長に回す。今が最後のチャンス」といったやや扇動的な文言が並ぶ。資料でオープンイノベーションの成功例として挙げられているのは、ソニー、富士フイルム、トヨタ自動車。なるほど、新税制の恩恵を受けるのは、こうした大企業なのだろう。昨年は研究開発減税を拡充して自前の研究開発を優遇し、今年は自前主義の限界を示唆――。矛盾しているようにみえるが、大企業にあの手この手で助け舟を出すという点で首尾一貫していると感じる。平場の議論では、賛成多数だ。

 この日の小委員会の審議では、元財務政務官の大岡敏孝衆院議員(47)も「オープンイノベーション税制」に反対の論陣を張った。「四面楚歌(そか)、多勢に無勢だが反対。(企業が)損したら税金で補塡(ほてん)し、得しても税金で追い銭がある。ベンチャーへの大企業支配が強まる」と訴えた。

 自民税調の「甘利明会長肝いり」(ある議員)とされるこの税制に、真っ向から反対する…


(森敏)
付記:

以下小生の独断と偏見です。

 受験産業界の連中や経団連などの企業人が、文科省の大臣や官僚とつるんで、小、中、高、大学への受験制度をいじくりまわして、「グローバルに活躍できる人材育成を」と大学に迫って、産業競争力の強化のための教育改革を狙っている。実にばかげたことである。
藤原正彦氏は、雑誌文芸春秋で、最近の文科省の英語教育改革について
・英語教育が国を亡ぼす
・英語教育は国民のエネルギーの壮大な無駄
・語学ができるほどだんだん馬鹿になる(英文学者中野好夫の言)
・英語、IT、プレゼンは小手先技術
と徹底的にこき下ろしている。
   

  大企業はリーマンショック以降につぶした自前の研究所を、本気で復活して大学からの博士課程卒業者を優先的に積極的に受け入れるべきである。大学に金を出さず口だけ出すなと言いたい。いつまで企業人は「会社では博士出身者は融通性がなくて使い勝手が悪い」と言い続けるのだろうか? 今日、多様な個性を生かせないのは、会社の上層部の指導能力の欠如のせいだろう。

  博士課程に学生が進学してこなくなっているので、日本の大学のほぼ全分野で戦力が低下して、大学発の先端的研究成果の発出力が低下し続けていることは明々白々である。

  科学技術という抽象的な課題は国民うけがいまひとつなので「選挙の時の票に結びつかない」と国会議員選挙の候補者は考えているのだろう。研究者育成推進のみを選挙のスローガンにワンイッシューとして掲げる候補者が出ないだろうか。大学は危機である。大学人は団結すべきである。自衛隊は団結して国会議員佐藤正久 1等陸佐 (参21回(比例区)、参23回(比例区)、当選2回)を当選させているではないか。大学人は自衛隊の結束力に学ぼう。




2019-07-31 17:59 | カテゴリ:未分類
以下、ノーコメントで転載します。

  






プレゼンテーション1

 

原発技術は破綻 必ず事故は起こる 米規制元委員長警告
  

二〇一一年の東京電力福島第一原発事故当時に米原子力規制委員会(NRC)の委員長だったグレゴリー・ヤツコ氏(48)が、本紙のインタビューに応じ、経済性や安全性を理由に「原発は破綻した科学技術だ」と主張した。「原発に頼る限り事故は必ず起きる」と述べ、発電コストが下がり続けている風力や太陽光といった再生可能エネルギーの開発に全力を注ぐべきだと訴えた。

 米国は世界随一の原発大国で、NRCは原発の安全規制や許認可を担う連邦政府の独立機関。ヤツコ氏は〇五~一二年に委員を務め福島事故では委員長として事態収拾に向けて日本側と対応を協議し、現場にも足を運んだほか、米国で安全対策の強化に尽力した。

 福島の事故後、NRCとして地震や火災、水害といった災害に対する原発の弱点を洗い出したが、原子力業界の妨害などで「ごくわずかな改善」しか実現できなかったと回想。業界という「圧倒的な存在」が規制当局や政官界にまで幅を利かせる構図が必要な安全対策を阻み、経済性が落ち込んだ原発を延命させる一因になっていると指摘する。

 福島事故を経てもなお原発に固執する日本のエネルギー政策に対し「次の事故のリスクを認識、理解する必要がある。起きるかどうかではなく、いつ起きるかだ」と警鐘を鳴らした。

 (ニューヨーク支局・赤川肇、写真も。2019。7。31 東京新聞)

2019-04-18 18:09 | カテゴリ:未分類

      訓練中のステルス戦闘機(F35A)が墜落して、まだ機体と操縦士が発見されていない。重要なボイスレコーダーも発見されていない。新軍用機の性能チェック練習中の墜落事故としては原因究明ができない、決してあってはならない異常事態ではないだろうか?

    

      ところでアメリカから購入するこの戦闘機の1機の値段が116億円ということである。現在までに、15機が購入されており、12機が待機中であり、向こう何年間かで全部で105機の購入が予定されているとか。トランプ政権の恫喝に屈しての事であろう。

    

      この戦闘機の総購入金額は単純計算で 116億円x105機=1兆2180億円 となる。アメリカから購入する飛行機の予算はいつも不透明で毎年バブル化していくので、おそらくこの予算では済まないだろう(と、悔しいことに、マスコミに何度もあおられているうちに、小生も含めて国民は「防衛予算」に関しては、いつもこういう思考回路に慣れさせられている)。

    

      このように総金額を知ると、「本当に日本の教育や科学技術予算は大丈夫かね」と、腹の底から怒りがこみあげてくる。

      

      日本のすべてのノーベル賞学者達が口を酸っぱくして、若手研究者の養成や長期的な基礎研究への国家予算の投資を呼び掛けているが、現政権は、いまだに馬耳東風であるとしか小生には思えない。実際少なくとも自然科学系の研究者の実感では、中国の躍進は本物で、すべての科学技術分野で、日本が後塵を拝することになるのも今や時間の問題である。政治家はそれが全く分かっていない。自民党議員ばかりでなく、「一番でなきゃいけないんですか?」という国会議員に代表されるように野党議員も五十歩百歩であろう。総じて熾烈な学問の世界での争いを経験してきたうえでの理系出自の国会議員があまりのも少ないからである。

   

      翻って、4年生の国立大学生一人を卒業させるまでに国家が投資する金額は約500万円ということである。実は入学金や授業料約250万円などの自己負担金を差し引くと国立大学生の卒業までの「人材養成費」としては実質わずかに150万円ぐらいしか国からは投入されていない。

   

      ステルス戦闘機105機を購入する代わりに、その分を、国立大学の入学金と授業料免除などで実質的に250万円を国が無償で提供するとなると、単純計算で48万7200人の学生を自己負担ゼロにできる金額である。

   

      戦争のための予算と、未来の人材育成のための予算と、どちらが肝心か、未来のある若い人なら誰しも後者に賛成するだろう。悲惨な戦争体験や戦後の食糧難を体験していない、思考が擦り切れた観念論者のみが戦闘機の方を支持するだろう。

 

      以上のような議論は、これまでも飽きるほどなされてきた。ステレオタイプの議論だと言われようと、小生は何度でも言いたい。いや何度でも言わなければならないと、人生終末期の最近は強く感じている。未来の人材育成と基礎科学振興にしか日本の未来はないと。

 

 

(森敏)

付記:本日、尊敬する農芸化学の大先輩である森謙治東大名誉教授【学士院会員】の訃報を聞いた。にわかには信じがたい。
    
追記:その後、2019年5月10日の朝6時25分のNHKニュースでは、アナウンサーが何の弁明もなく、さりげなく、このステルス戦闘機(F35A)の購入予定機数を147機!と解説していた。まことにサブリミナルな姑息で汚らしい「NHKと防衛省との連係プレー」である。

 

 

 

 

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