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WINEPブログ内で「 可能性 」を含む記事

(5件づつ表示されます)

2023-10-15 13:15 | カテゴリ:未分類
  将棋の藤井聡太さんが八冠に輝いて、ネット上では絶賛の嵐である。同時に、彼の少年時代から今日に至るまでの挿話や噂話がにぎやかに展開されている。それらを読んでいると、なんだか無条件に楽しいし、うれしくなる。

  そんな中で2つだけ気になって、むべなるかなたと思った記事があった。(コピペして保管しておいたので記事の出典は忘れた。)
   
1:子供たちへの指導対局やトークショーなどを通して、将棋の魅力を発信し続けてきた。「自分が対局指導をする日が来るなんて、感慨深い」と話しながら、子供との将棋を楽しんだ藤井八冠。当時学生だったこともあり、トークショーでは学校に関する話題も。 “決まった答えがある”ことから、得意科目に数学を挙げる一方、「苦手科目は美術です。(何を作ればいいか)まったく発想が湧かなくて…」と照れ笑いを浮かべながら回答。プロ棋士として数々の記録を更新しながらも、不得意な科目に悩む学生らしい“等身大”な一面も併せ持ってることも、彼の魅力なのかもしれない。
   
2:藤井家では毎日、新聞に目を通しています。国際面を中心に読みます。テレビは普段あまり見ません。おそらく他の家庭と比べると、テレビをつけている時間も短いのかなと思います。

  1.の意味は、藤井八冠の脳が極端なデジタル思考であり、人間が決めた規則の無い、絵画や彫刻のような究極的に答えのない抽象的なアナログ的な「美」の創出にはあまり興味がないことを示している。例えば絵画は、基本的には画布には、自由奔放に描いていいというのがルールなので、彼は手(脳?)が動かないのだと思う。

  将棋の盤上で敵の王を追い詰める最適解のプロセスを将棋のルールに従って、自由奔放に空想することに、無上の快感を覚えるタイプなのだろう。

  2.の意味は、藤井八冠は現在棋道一本やりの、実に鋭角的な精神生活をしてるので、外界の情報を得て視野を広げることによって、精神の安定を図っているのだと思う。21歳ではまだまだ教養が不足しているので、八冠を維持し続けるためには、精神の底辺の土台を肥やし続ける必要があるだろう。そうしないと今後の長い人生の途上で、知らず知らずのうちに、ずっこける可能性がある。例えば女性関係でとか、信仰宗教に取り込まれるとか、うつ病を患うとか、大酒飲みになるとか。実際に囲碁や将棋の世界には何人もの先例があるのだから。
    
  以上老爺心ながら。  
(森敏)

2023-09-08 07:10 | カテゴリ:未分類
朝日新聞20239月7日夕刊に

 モスクワで和太鼓、心つなぐ 批判も覚悟「文化人として交流」 福岡「野武士」、日ロ関係悪化するなか

というタイトルの記事が載っていた。そのなかで「野武士」の川原邦裕さんが述べている「ことば」だけをつなげて以下に全文引用すると、

「モスクワの歓声は、ほかの外国と比べても断トツです」
「(非難される可能性があることは)、承知の上ですが、周りの人は、『こんな時だからこそせめて文化で動いてください』と応援してくれました。僕たちは文化人。何の力にも影響にもならなくても、ロシアの人々と、せめて心ぐらいはつながっておきたい」
「どこの国であっても庶民は戦争や分断を望んでいません。音楽は庶民の心と心をつなげます。心のつながりを分断してはいけない」
  
この記事を読んで小生は強烈な違和感を持った。侵略者ロシアによる戦争の渦中で日々ウクライナの庶民が殺されている。

「野武士」がこの公演でいくらかの収入があったとすれば、それをウクライナの演劇集団に寄付し、それを大声で公表することを望みたい。そうすれば、文化人「野武士」の和太鼓は、戦争や分断を望んでいないロシアの庶民とウクライナの庶民の心と心をつなぐことに少しは貢献するかもしれない。
  
(森敏)
付記:微妙な問題だからか、この朝日新聞の記事には、モスクワ特派員の署名が載っていない。朝日新聞の読者からのこの記事に対する批判は、朝日新聞の編集部が責任を持つということなのだろう。
2023-08-12 22:12 | カテゴリ:未分類
スライド2


「がんと闘う食べ物たち -食事によるがん予防-」
(第一出版 定価3300円)

原著 Richhard Beliveau博士, Denis Gingras博士 
完訳 吉村悦郎(東京大学名誉教授・放送大学名誉教授)


目次
第1部 がんは強敵
第1章 がんによる災禍
第2章 がんとは何か
第3章 がんは細胞にとっての環境問題
第4章 食事によるがんの予防
第5章 ファイトケミカル:夕食には抗ガン化合物の小皿を

第2部 がんと戦う食べ物たち
第6章 がん細胞はキャベツを嫌う
第7章 ニンニクと玉ねぎ
第8章 ダイズ、抗がん作用を持つ植物エストロゲンの比類なき貯蔵庫
第9章 スパイスとハーブ、ガンを予防するおいしい方法
第10章 緑茶、それはがんと戦う心の癒し
第11章 ベリーへの情熱
第12章 オメガ3:つまるところ、体によい脂質を
第13章 トマト:がんが恥ずかしさで赤面する
第14章 柑橘類、それは香り立つ抗がん化合物
第15章 酒の中に心理あり
第16章 食べ物の多様な抗がん作用

第3部 日々のがん予防
第17章 がんと戦う献立 

結論

第二版の序
近年、我々のがんに対する考え方は大きな変化を遂げている。長い間、がんは一夜で生じる破滅的な病気と捉えられていたが、今日では慢性的な病気として知られるようになっている。がんは臨床的な段階に至るまでには数十年の年月を要するのである。我々は皆、未熟な腫瘍を体内に持っている。この腫瘍はがんになる可能性が高い前がん細胞というべきものであるが、最近の研究は、この前がん細胞の進展を遅らせる可能性を示している。質の高い生活習慣を実行することで、変異を蓄積して前がん細胞が成熟したがん細胞段階へと進展するのを防ぐことができるのである。したがって、ガンを防止する主要な方法は、がん細胞が発生するのを阻止するのではなく、むしろその進行を遅らせることにある。そうすることで、前がん細胞は、80、90年の人生の間には成熟段階には到達できない。
  ここ10年間での研究で、欧米の国々での食習慣が我々の社会におけるがんの高い発症率の主な原因であることが確認されている。欧米式の食生活-砂糖、肉類、超加工食品が多く、植物性食品が少ないーに倣っている国では、例外なく、肥満、糖尿病、それに数種類のがんの驚くような増加に対応を迫られている。
  このような状況の深刻さに鑑みると、最新の研究成果を取り入れて本書の全面的な改定を行った。がんを予防できる可能性があることは、最も注目に値する。食生活を含んだ生活習慣を変えるだけで、がんの3分の2は防ぐことができるのである。


ーーーーーーー

  上記に紹介した本は、後輩の吉村悦郎東大名誉教授から先日贈呈されて来た、彼自身による完訳本です。

  文中の中身には素人にも一目でわかりやすい68枚のカラー写真と28枚の表が掲載されています。文献は400点巻末に掲げられています。

  日本人の半数がガンに罹患して死んでいます。だから、この本をよく読んで、日頃からの食生活では、「がんと戦う献立」の章を参考にして、できるだけ自分の体細胞の変異とがん細胞への進展を抑止するように心がけましょう。そして健康寿命を延ばしましょう。




(森敏)
付記:別件だが、吉村君の 「訳者まえがき」 の文章の最後は

令和5年5月
薫風に揺れるカーテンの下、まどろむ老犬のかたわらで

と、締められている。
コロナ流行前に、東大農学部構内の家畜病院前で、珍しくも吉村君に偶然出会った時には、「奥さんが犬が心配だというので、付き合って連れてきたんだけど。。。白内障じゃないかと思う」 と心細げだった。



2023-08-09 22:18 | カテゴリ:未分類
  最新の學士會会報(No.961号)に、土屋直嗣氏(ツチヤナオツグ:現オーストラリアモナッシュ大学心理科学部教授)の

最新の脳科学と意識の理論から予測する、
   人工知能(AI)の意識の可能性について


という7頁にわたる解説記事が載っていた。いきなり、 「AIは意識を持つか?」というサブタイトルが掲げられて文章が始まっていたので、食いついてみた。

読んでいて「クオリア」という言葉や、「意識とは何ぞや」とか「知能とは何ぞや」という分野は、認知機能が急速に衰えつつ合う小生にとって、少し腰を据えて、もっと理解してみたいな、という魅力に駆られた。

文中で
:::詳細は割愛しますが、:::::興味を持たれた読者の方には、日本語の入門書として拙著の「クオリアはどこから来るのか―統合総合理論のその先へ」を参考図書として挙げておきます。::::

という記述があった。學士会報の専門家諸氏の記事は、他分野の人にもわかる様に、比較的かみ砕いてくれている文章がほとんどなので、ふつうはじっくり読めば少しは理解度が進む文章が多い。しかし、この土屋氏の文章は、「です」「ます」調で書いてくれているのだが、全体として、この分野の研究が現在急速に進行形であるためか、まだまだ明快な理論として組み立てられているわけでないので、未消化の感を否めなかった。基礎的用語の概念の解説をしていたら、話が前に進まないのであろう。だから自著を読んでくださいというわけである。

そこで、土屋直嗣氏本人の著書

クオリアはどこからくるのか? 統合情報理論のその先へ (岩波化学ライブラリー:電子書籍版)

を早速、紀伊国屋書店から購入して、基礎から読むことにした。読み始めて、すぐに、これは相当腰を据えて時間をかけて読む必要があると、いやでも気付かされた。

それでも純粋に哲学者が書くような、こねくり回した、入れ子のような持って回った構造の文章ではなく、主語述語修飾語の比較的簡明な論理展開であるので、途中までは何とかついていけたが、最後までいちおう字面(じずら)は読めたが、よく理解ができなかった。電子辞書なので文字を思いきり拡大して、間欠的だが、1週間かけて読んだつもりなのだが。

やはりこの年(新老人)になると、新しい専門用語の概念や定義がなかなかつかみにくい上に、読んでいて次の日にはうすぼんやりとして定義を忘れていくので、能率の悪いこと悪いこと。。。。。

この本で特徴的だったのは、本のなかに7カ所で、QRコードが埋め込まれていて、それをスマホで読み取ってその動画の内容を見ることにより、読者に論理の展開の理解を深める手法を採用していることであった。これはなかなか斬新な現代的な手法だと思った。

小生はスマホをやらないので、ここのユーチューブ動画はスキッップせざるを得なかった。つまりその情報量が得られなかったので理解がすこし不足したことは否めなかったわけでもあった。小生が知らなかっただけなのだろうが、なかなか手の込んだ形式の本が出てきたと思う。著者には申し訳ないが、この書籍製本手法が一番小生には印象に残った。

「クオリア」概念の時空を含めた立体構造の解明に期待したい。「クオリア」は揺らぐ実体と呼ぶべきか。
  

(森敏)

付記:漠然とした稚絶なレベルでの印象で恐縮だが、この著者の研究グループは「クオリア」の概念創成に関して、物理学の「不確定性原理」や物質が波動でありかつ量子であるという量子力学の影響を強く受けていると思った。



2023-06-06 16:01 | カテゴリ:未分類
カホフカダムのダム破壊
ロシア軍によるカホフカダムの破壊。

カホフカ大橋爆破洪大水発生の図
破壊されたダムの大洪水発生後の3日後の残骸(遠景)


ドニプロ川決壊水没範囲
ダム崩壊後の浸水域。クリックして拡大してみてください。



 【キーウ共同】ウクライナ軍の南部作戦司令部は6日、ロシア軍がドニエプル川のカホフカ水力発電所のダムを爆破したとフェイスブックで主張した。被害程度を調べているという。ザポロジエ原発はダムの貯水池から冷却水を取水している。
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  カホフカダムの破壊によって貯水量が恒常的に下がると、当然その上流にある原子力発電所の取水口よりも水位が下がれば、ザポロジエ原発の原子炉冷却が出来なくなり、炉心溶融、原子炉爆発に至る可能性がある。


  このカホフカ大橋の前回の破壊については、ロシアかウクライナかのどちらがやったのかがいまだに不明だが、この以下のブログでも衛星写真で紹介している。

   2022/11/13 : ウクライナ軍のヘルソン市への入城は歴史的戦果

   
(森敏)

付記:この貯水ダムからの取水によってクリミヤ半島農業が成り立っているので、ロシア側がダムの爆破をやったとすれば、ロシアのオウンゴールということになるだろう。ロシアは、ウクリミヤ半島の占領地としての意義を放棄し始めているのだろうか?自虐的行為だ。

破壊されたダムの再建は絶望的だ。再建には数十年かかるだろう。驚きでひどすぎて言葉もでない。


追記1:直近のBingによる検索では、このダム破壊でロシア軍の兵士が流された様相ということだ。(6月7日 記)

ウクライナ軍は、ウクライナ南部ヘルソン州ノバカホフカのダムが決壊したことによる洪水でロシア兵士が流されるのを目撃しました。ウクライナ軍の将校は、多くのロシア兵士が混乱の中で死亡または負傷したと明らかにしました。ウクライナ軍のアンドレイ・ピドリスニー大尉は、6日の早朝にダムが決壊した際、「ロシア側で逃げられた者は皆無だった。ロシア側の連隊は全員が洪水に巻き込まれた」と述べました。
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