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2020-01-16 07:33 | カテゴリ:未分類
    双葉町で 毎時17マイクロシーベルトある民家の庭に生えている真竹を手折ってきて放射能を測定した。

    解体して各部位に分けて測定した(表1)。

    下に示した写真(図1)の数字が一部隠れて見にくいが、皮の部分を下から順番に番号を打っている。

    表1の側芽というのは肉質部分の節位から出ている小さな芽の事である。

    葉の先端部 > 側芽 > 肉質部 > 外皮

の順に放射能が高い。また外皮は新鮮な上に行くほど高くなっているきれいな傾向にある。

    Cs-134は Cs-137の約6%にまで減衰していることがわかる。

    以上は定量値であるが、この放射能の傾向は、オートラジオグラフ像(図2、図3)でも定性的に見てとれる。

    これらの結果は、以前(2014年 付記1。参照)に論文発表した 飯館村から採取した真竹の分析結果とまったく同じ傾向であった。

   今回は肉質部では節位のみを分離して測定してはいないが、オートグラフの像からこの節位が高いことがうかがわれる。

    この節位の部分は、いつも説明しているように、師管と導管が入り組んでいる組織であるから放射性セシウムが滞留して、濃く見えるのである。


  タケノコは根茎が土壌の下に隠れてつながっているので、土壌を剥離すると同時に根茎を全部根こそぎにしなければ、いつまでも放射能が残留して、春先に地上部に放射能が移行することを繰り返しているのである。





スライド2 
図1 真竹を皮と肉質部に詳しく解体したもの。     
  
    
 
 スライド1
 
 図2. 図1のオートラジオグラフ 最先端が一番濃く、肉質部位や、その節位が濃くうつっている。
    
 
スライド3 

図3.図2のネガテイブ画像。梯子様にみえる各節位と肉質の先端部が総体的に濃いことがよくわかる。

  
   


 表1. 真竹の部位別放射能(図1、図2 参照)

 たけのこ17マイクロシーベルト1
  


   

(森敏)

付記1:以下の小生らの2014年の論文をご参照ください。

Nakanishi H, Tanaka H,  Takeda K, Tanoi K,  Hirose A,  Nagasaka S,  Yamakawa T, and  Mori S. (2014)
Radioactive cesium distribution in bamboo (Phyllostachy Reticulate (Rupr) K.Koch) shoots after the TEPCO FUKUSHIMA DAIICHI Nuclear Power Plant disaster. Soil Sci. Plant Nutri. 60, 801-808
     
追記1: 今頃遅ればせながら、朝日新聞が 2019年10月13日 の台風による福島県田村町における放射能汚染土壌貯蔵フレコンバックの流出現場の画像を記事にしている。

https://www.asahi.com/special/matome/flecon/?iref=kijishita_bnr
2019-11-30 12:13 | カテゴリ:未分類
      以下、つい多少学術論文調になるのですが、どうか最後までお読みください。図や表を前後して、照合しながらじっくりと読んでいただければありがたいです。
   
    
     以下の図1は、2011年2011年11月11日に飯舘村飯樋地区の道路わきのヒノキの植林地で、目の高さで採取したヒノキの小枝です。
        
     実はこの時撮像したオートラジオグラフには、今回撮像した図2の画像に、うっすらと映っている、各枝の葉の上部の汚染像に気がつかずに、各枝の下部のやたら強く汚染している部分だけを、紹介しました。
  
      
     http://moribin.blog114.fc2.com/blog-entry-1474.html
        

     当時は短時間の感光時間で画像が現れたので、どの葉も強く全面的に汚染していると思っていたのです。写真画像とオートグラフの画像を、きちんと照合せずに紹介してしまったのです。図2のまだらに映っている黒い部分、または、図3のまだらに映っている白い部分は図1の②⑤⑧⑩⑪の部分が、原発から直接飛んできた放射能によって、やけどのように直接汚染している葉の部分です。(①④⑦は枝の軸の部分です)
         
     今回8年間保存していた同じサンプルを、再度慎重に長時間感光してみたところ、図2、図3のように、これまで見えていなかった、上部の新葉の部分、図1の③⑥⑨の部分が浮かび上がって来ていささか驚いている次第です。
           
     表1 は、これらのサンプルを慎重に各部位に分離して、パーキンエルマー製のNaIガンマ線スペクトロメーターで精密測定したものです。最近はこの測定器で少量の部位ごとのサンプルが短時間で測定できるようになりました。なので飛躍的に生理学的に面白いことがわかるようになってきました。

         
     
 スライド1

 図1.2011年11月11日飯舘村飯樋地区で採取したヒノキの小枝。①から⑪までのナンバーは、表1に掲載されている測定値のナンバーに対応しています。

      





 


スライド2 
 
 図2.下位の旧葉は激しい外部汚染を受けている。それに比べて、被爆時の半年後に伸長してきた新芽は、外部汚染はあまりなく、はるかに低いうっすらとした内部汚染のみである。
    


    
 
 
 スライド3
 
図3. 図1のネガテイブ画像である。この像では図2よりもコントラストが強く感じられて、新芽の方はうっすらとしか映っている。

          



 
      
スライド1 
 
1.この表の番号は図1に対応している。
2.枝のみ、というのは、葉を全部取り除いた残りの木質部分です。
3.放射能の測定は2019年9月に行ったものです。サンプルの採取は2011年11月11日のものです。採取後測定までに年月が経っているので、当初は1:1であった両放射能の比が、半減期が短いCs-134が半減期が長いCs-137と比べて大幅に減衰している。


     
 
     

      

     以下の図4、図5、図6、図7、図8、図9は、2015年に浪江町で一本のヒノキの3か所から、へし折ってきた小枝のサンプルと、そのオートラジオグラフです。すべて先端に向かった新葉部分が、強く汚染しており、下位の旧い葉の部分は新葉に比べればはるかに汚染の度合いが低い。3本の小枝が全く同じ傾向を示しているので、このセシウム移行に関する生理現象はヒノキでの一般法則と考えてよいと思われます。(煩雑になるので、各部位の放射能の測定データは示していません)
       
      つまり、時間が経つと、汚染放射能は、汚染土壌の根からなのか、外部汚染の樹皮からなのか、外部汚染の葉からなのか、その汚染源は不明ですが(たぶんそれらの各部位からの積分的なものだと思われますが)、放射性セシウムは、まず新葉に優先的に輸送される。
           
  これは植物では、根から吸収させたばあいに窒素・リン酸・カリなどの植物にとっての必須元素が細胞分裂と伸長の盛んな新葉に優先的に移行することと類似しています。
          
  放射性セシウムは植物の生育にとっては必須元素ではないけれども、樹木の体内ではあたかも細胞が必要な元素のようにふるまっているのです。おそらくカリウムの代替物として、カリウムが集積する細胞では、その放射能でカリウムの代謝を狂わせて、染色体にダメージを与えているだろうと思われます。
       
      図5、図7、図19のように、一旦植物に取り込まれた、この放射性セシウムが、新しい葉に移行する現象は極めて顕著で、当初の放射能分布(図2、図3)との違いが明瞭です。
       
      この現象は植物生理学的にも一般法則と思われます。すでに先日の東京新聞での協同研究でもモミの木の例で細かく、オートラジオグラフと数値データで紹介しておいた通りです。
       
     https://genpatsu.tokyo-np.co.jp/page/detail/1083

   
    
   
       

 スライド1 
図4. 2015年のヒノキの小枝
 
スライド2 
図5.図4のオートラジオグラフ。 新葉の方が強く放射性セシウム汚染している。

 
 スライド3
 
 図6. 2015年のヒノキの小枝
     

 
スライド4 
 
 図7.図6のオートラジオグラフ。  新葉の方が強く放射性セシウム汚染している。
     

 
スライド5 
 
 
 図8.2015年のヒノキの小枝
     

スライド6
図9.図8のオートラジオグラフ。  新葉の方が強く放射性セシウム汚染している。

     
 
     
  

ご拝読ありがとうございました。
   
以上述べてきたことは、きわめて単純な話で、これまでも繰り返し、ご紹介してきたことです。
        
読者諸氏から、なんでもコメントや質問いただければありがたく存じます。  
    
 
       
(森敏)
2019-11-15 16:23 | カテゴリ:未分類

福島県双葉郡双葉町細谷 の道路から150段ぐらい上がると山頂に羽山神社というのがあり、そこから南西を眺望すると、1.3kmぐらい先に東電第一原発の原子炉の5号機や6号機があるはずである。しかし、現在すでにいろいろの建物が建設されてきているので、この角度からは2つの原子炉は隠れて見えない(図1)。
スライド2 
図1.東電福島第一原発敷地を羽山神社から南西に眺めると。。。。。

   

さかのぼって、東電の平成27年の資料の図面によるとこの地域に「雑固体廃棄物焼却設備」が<建設中>と記されていた。が、その後、東電の2019年1月31日の資料の図面では、この「雑固体廃棄物焼却設備」は完成したようである。
  

https://www.meti.go.jp/earthquake/nuclear/decommissioning/committee/osensuitaisakuteam/2019/2-3.pdf

  

それが図1の左の煙突が立っている全面が白色で覆われている建物と思われる(この写真では煙突はぼけて見えるが実際は2本が重なって立っている)。この東電の資料の図面には、敷地内のこの新規建造物の周辺には毎日の除染作業員から出た膨大な「使用済み保護衣服」や敷地内の森林伐採汚染雑木などの置き場があちこちに散在して、結構な敷地面積を占めているように描かれている。なので、ここではこれら原発敷地内で生じた「放射能汚染雑固体」を東電はいよいよ焼却による減容化処理に踏み切るのかもしれない。煙が出ていないので実際の焼却はまだ可動していないようだが。(どこかで東電は敷地内での減容処理に関する発信をしているのかもしれないが、小生はニュースでは確認していない)

     

この建物以外に図1では中央右側にしっかりした高い煙突のある建物が急ピッチで建設中である。これは東電の2019年1月31日の資料の図面では全く示されていないが、何かの放射能汚染物質の焼却場であると思われる。木の枝に隠れて見えにくいのだが、高い煙突がそびえている。11月9日の段階では建物の白い壁の面積がほぼ完成に近くおおわれており、2週間前に眺めた10月27日の時点から比べて急ピッチで進捗していた。

  この2つの建物群を見ながら過去8年間の減容化の動きについていろいろなことを思い出した。

  

過去にさかのぼれば、このような焼却による減容化施設はすでに平成26年度から環境省によって飯館村蕨平(わらびだいら)で住民の苦渋の選択により施設が稼働実施されている。(しかし小生はこれまで、この施設の現場を外からでも見学してはいない)

https://www.vill.iitate.fukushima.jp/uploaded/attachment/2083.pdf

飯舘村蕨平地区における可燃性廃棄物減容化事業について
   
スライド1 

図2.減容化施設か?   
     

今回も、偶然発見したのだが、11月9日に郡山から浪江町に至る道路の途中に図2のような施設があり、煙突から白色の水蒸気様の煙が立ち上っていた。この施設は一見して、真っ白な壁で囲われた閉鎖系であるので、単なるごみ焼却場ではなく放射能の汚染物を処理する焼却場ではないかと思われる。車で急いでいたのでよく確認できなかったのだが、建物の看板に「安達地方広域行政統合」などの文字と6社のロゴが示されていたので、コングロマリットであると思われた。大中小の土建業者などが相応に利権を分け合ってこの工場は建設されて可動しているものと思われる。

 

     

実は、小生は以下のブログで述べているように、原発事故暴発の年である2011年の9月の段階で、放射能汚染土壌などの減容化を頻繁に提案した。その後、あまりにも行政の動きがちんたらしていたし、基本的には除染技術の実践は住民の説得と土建屋さんの談合のテーマなので、途中で、この件には関わらないことにした。関わりようがなかったといった方が正しい。

  

第2回除染学会で、小生が、会場で「ダイオキシン処理施設や高温ロータリーキルンなどによる焼却による減容化をなぜ進めないのか?」と質問した時に、ある通産官僚のOBが小生に囁いてくれた言葉が忘れられない。

   

「大手各社が足並みを揃えて、除染技術を確立しなければ、どこか一社が突出したら各社が膨大な除染予算の利権にありつけないからだよ」。


    

減容化に関して、以下のWINEPブログをご参考ください。

  

2014/06/30 : 意外に早く「放射能汚染土壌の減容化技術」は達成するかもしれない

2012/08/29 : 再論:ロータリーキルンによる放射性セシウム汚染土壌の減容化について

2012/03/24 : 環境省による減容化実験の公募採択課題について

2012/02/22 : 今度こそ本物であってほしい

2012/01/20 : 「灰は危険」とばかり言わずにそこから「教訓」を導き出すべきだ

2012/01/03 : 大成建設はやる気らしい

2011/09/19 : 農水省の「ふるさとへの帰還に向けた取組」は剥離表土の出口が問題

2011/09/03 : 提案17:放射性セシウム濃厚汚染表土は汚染現場で焼却処理すべきである

        

現在上記に紹介したように少なくとも草木の減容化技術はほぼ実証試験で確立して、減容化事業は、詳しく報道はされていないが、放射能の強度汚染地域で、住民が帰還できていない地域では、避難住民がやむなく受容できる事業として、あちこちで行われているものと思われる。

 


(森敏)
2018-05-17 04:23 | カテゴリ:未分類


  浪江町の避難困難区域にはバスが通っていないので、バスの屋根付きの停留所には外壁や地面にツタが生えたりしている。それを手繰って2メートルばかり採取してきた(図1)。

  さすがにあちこちの汚染土壌の上をこのつたは這いずり回って成長してきたためか、葉の部分は多分土埃による外部放射能汚染がひどかった(図2、図3)。
 
  対称形に葉が生えている節位は時折何かにつかまるための小さなツルが生えているのだが、そこの節位が一番内部被ばくが高いようだ(特に図3、表1)。いつも言うように植物の節位は導管と師管が複雑に入り組んでいるから放射能が滞留しているようにオートラジオグラフでも濃く撮像されるのである。
   
    こういう濃厚汚染した「つる」なども、汚染を知らない鳥や小動物の格好の丈夫な「巣材」に使われているのではないだろうか? そこで幼い嬰児が被曝しながら育てられているのかもしれない。
      
    
 
スライド2  
図1 オオカモメヅル

 
 
 
スライド3 

 図2 上記の植物のオートラジオグラフ

 

 
 
スライド4  
 図3.図2のネガテイブ画像
  
 

 
 表1 オオカモメヅルの放射能
スライド1 
 

2017-10-30 14:00 | カテゴリ:未分類
  浪江町を車を降りてぶらぶら放射線を測りながら道路沿いに歩いていたら、珍しくもハクサイ(白)らしき幼植物が地際に生えていた(図1)。
   
  研究室に持ち帰って、思い切り葉を広げて、押し葉にしてオートラジオグラフを撮像したら、図2、図3のようになった。葉脈の放射線が実にくっきり写っている。これは内部被ばくである。同時に小さな放射能汚染土壌粒子で葉の基部付近が外部被ばくしていることがわかる。これらは風雨などにより、表層の汚染土壌埃が舞い上がり付着したものと思われる。
   
  新葉と旧葉の放射能値の差はあまり見られなかった(表1)。葉に付着した放射能汚染土壌などが、全体的にハクサイの放射能の値を底上げしているのかもしれない。

 

食用栽培野菜のオートラジオグラフを撮像したのはこれが世界でも最初ではないだろうか。野菜でも葉物は水分が95%以上なので、「押し葉」にして脱水乾燥するときに、2日に一回ぐらいの頻度で新聞紙を取り替えないと、すぐに新聞紙にくっついてしまう。いったんこびりつくとはがれにくくなるので、頻回に取り替えなければこのようなきれいな像が取れないのである。



 

 
スライド1 
図1.道端の白菜 
 


 
スライド2 
 
図2.図1のハクサイのオートラジオグラフ
 


 
スライド3 

図3 図2のネガテイブ画像。土塵(ほこり)による汚染が鮮明です。
 
   
  
   
  
表1.白菜の放射能 

 
スライド1  

 
 
 

  
(森敏)

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