WINEPブログ
大規模除染、ゼネコン4社に発注へ 総額149億円―福島・伊達
福島県伊達市は16日、放射線量が比較的高い市内5地区の除染について、清水建設などゼネコン4社に総額149億円で発注すると発表した。住民説明会を経て来月にも作業に入る見通しで、年度内の除染完了を予定している。同市は既に小規模な除染には着手しているが、ゼネコンによる大規模な除染は初めて。
5地区は線量が局地的に高いとして特定避難勧奨地点に指定された同市霊山町小国や保原町富成などで、清水建設が2地区、大林組と西松建設、間組がそれぞれ1地区を受注した。対象面積は計512ヘクタールで、住宅2500戸や公共施設、市道など住民の生活圏を中心に除染する。(2012/05/16-21:28)
その一方で伊達市は上記の記事に見られるように、ゼネコンに莫大な除染予算の垂れ流しを始めた。これは国の復興予算から来るものだろう。
上記の記事の数値から試算すると1平方メートルの除染予算に3万円を要する。この地域はすぐそばに山や水田があって、除染効果が薄いことがあらかじめ予想される。それがわかっていても、予算を消化するためにか、何が何でも除染をやるつもりらしい。
仁志田昇司市長のショウマンシップでもあるのだろう。転んでもただでは起きぬ日本原子力研究開発機構が(元内閣府原子力委員会委員長代理・田中俊一氏が除染アドバイザーとして、当初から)市長にはぴったりとくっついている。
これまで、どのゼネコンも特殊な除染技術を開発したわけではない。彼ら大企業は地元の下請け企業の手配師になるに過ぎない。ゼネコンの参入は 除染コストをつり上げる要因になっているに過ぎない。このヘドロの構造に対して、除染に貢献したいと思っている中小企業の中には苦々しく思っている企業もいる。
以下に、如何に除染が困難な作業であるかの総括を某紙から無断転載した。参考にしてほしい。
放射線対策(上) 広域除染不可欠 山林人海戦術頼み
国が計画的避難区域の飯舘村と川俣町山木屋地区で実施した除染モデル実証事業は、局地的には空間放射線量を低減することはできた。しかし、地域全域の線量をいかに下げるかは今後の課題だ。避難区域の再編・解除で役場機能が戻った川内村や広野町では、除染しても思うように線量が下がらない所も。重機などが入れない山林の除染も難題だ。
■限界
国の除染モデル実証事業は、飯舘村が草野地区の約17万3000平方メートル、川俣町山木屋が坂下地区の約11万平方メートルの範囲で行われ、田畑や庭、道路などを除染した。
飯舘村草野地区の宅地庭では、下草刈りと表土剥ぎ取りを行い、高さ1メートル地点の空間線量は毎時4.34マイクロシーベルトから2.37マイクロシーベルトに下がり、低減率は45%だった。
一方、同じように除染した川俣町山木屋坂下地区の宅地庭では、高さ1メートルの空間線量は毎時2.43マイクロシーベルトから1.82マイクロシーベルトと低減率は25%にとどまった。
環境省の担当者は「局地的に大幅に減る地点はあるが、植木や鉢植えのある庭などでは、除染しきれないポイントが出てしまう。対象区域全域の低減率を平均化すると、減少幅は縮まってしまうようだ」と分析。「より広域に除染をしなければ、大幅な減少は見込めない可能性がある」としている。
川俣町山木屋の本格除染について環境省は、住環境を中心とした除染計画を打診した。しかし、山頂からの除染を求める自治会から反発の声が上がっている。4月26日に自治会と国との会合が開かれたが、結論は先送りされた。
■減少幅小さい
川内村は3月26日に役場機能を村内に戻し、住民が居住している旧緊急時避難準備区域の除染は村が進めている。学校や役場、診療所、村内に通学する子どもがいる家庭などの除染は終わり、現在はその他の住宅で作業を行っている。昨年11月に毎時0.5マイクロシーベルト前後あった学校付近は0.1マイクロシーベルトまで下がった。
目標は0.23マイクロシーベルト以下。村によると、屋根の洗浄は20センチ以下の距離で噴射すると半分に、雨どいはぬれた布で拭き取ると90%少なくなる効果が確認された。ただ、雨どいから土砂に雨水が流れる箇所では、校庭で実施した5センチより深く土砂を剥ぎ取る必要があった。
草があると線量が下がりにくい傾向がみられ、中には所定の作業を実施しても思ったよりも下がらず原因が明確には特定できないケースもあるという。
昨年9月30日に旧緊急時避難準備区域が解除された広野町役場周辺の今年2月ごろの放射線量は毎時0.4マイクロシーベルトだった。その後、庁舎前の全ての芝生を剥がし庁舎を高圧洗浄機で除染した結果、現在は数値がほぼ半減し毎時0.18〜0.17マイクロシーベルトまで下がった。一方、山林に隣接する住宅周辺は除染後も放射線量が下がる幅が小さいとの指摘がある。
■重機入れない
4月7、14の両日、福島市の弁天山公園で行われた除染活動。市と県の呼び掛けに市民や全国のボランティアら延べ約900人が公園内の落ち葉や腐葉土の収集、枯れ枝などの除去作業に取り組んだ。
7日の作業では、90リットルのゴミ袋で約3500袋分が集まり、1センチで毎時2.23マイクロシーベルト、1メートルが同1.76マイクロシーベルトあった空間線量が3%から38%低減した。市は「落ち葉などを拾い集めるだけでもある一定の効果があった」としながらも、「地形によってはあまり効果がなかった場所もあった」と分析する。
山林で重機が入れない同公園は人の手による除染作業が不可欠で、人海戦術に頼らざるを得ないのが現状だ。担当者は「今後もボランティアの手を借りて除染を進めたい」と話す。
一方、福島市の観光名所・花見山の除染はまだ手付かずの状態だ。花見山は私有地の上、斜面に植えてある花木に配慮した除染作業が求められるなど課題も多い。市の担当者は「地域でつくる支援団体と除染の方法や時期などを協議している段階」とし、まだ明確な答えは出ていない。
放射線対策(下) 道路除染コストが課題 有効な技術は判明 国ガイドラインの対象外
東京電力福島第一原発事故で拡散した放射性物質は建物や道路、森林、農地など広範囲に付着した。その除去作業は国内で前例がなく、十分なノウハウは蓄積されていない。県や日本原子力研究開発機構(JAEA)は実証試験を通し、土木分野や農作業で使われていた技術を応用しながら効果を探ってきた。舗装面の除染では一定の効果を確認したが、依然、コスト面などの課題が残る。新たな技術を開発し、普及させるのは難しいのが現状だ。
■ショットブラスト
「一様に高い除染効果が得られた」。平成23年度の除染技術実証事業で県が高く評価したのが、「ショットブラスト」だ。機械で直径1ミリ程度の鉄球を舗装面に打ち付け、ミリ単位で削る。舗装表面の放射線量は95%以上減少した。道路などの公共工事で表面処理に使われていた技術で、特殊な改良が不要なため、現場に導入しやすいメリットもある。
一方、JAEA福島技術本部の研究者は「道路のわだちなど凹凸がある部分を均一に削ることができない」と指摘する。回収した粉じんの放射線管理、作業者の防護も必要となる。
導入には高額な費用もネックとなる。県内の民間事業者によると、ショットブラストを使うには機器や使用する鉄球の導入費、粉じんの処分費用などが生じる。1平方メートル当たりコストは、高圧洗浄の10倍近い6000円程度かかる見通しだという。県は「線量が高い部分でスポット的な活用を促したい」としている。
■高圧洗浄機
原発事故の直後、高圧洗浄機を使った除染作業が注目を集めた。だが、県とJAEAは「高い効果は得られない」と否定的な見方を示す。
県の実地試験では、アスファルト舗装面の表面線量の減少率は40〜60%程度。ショットブラストと比べ、十分な効果は得られなかった。舗装面などに強固にこびりついた放射性物質は、高圧の水では洗い落とせない。さらに、洗剤を併用しても効果は高まらなかった。水を大量に使うため、汚れた水の回収も課題となる。
一方、JAEAは「超高圧」の水で舗装面を削り取る超高圧水除染は効果があるとみている。水圧は約200メガパスカルにもなる。一般に市販されている10メガパスカル未満の高圧洗浄機の20倍以上だ。県の実地試験では超高圧水で表面線量を80%以上減らすことができた。
ジェル状の特殊な素材を構造物に塗り、乾燥させて剥がす「はく離剤」も表面線量を80%以上減らすことができた。公園の遊具など立体的な構造物、凹凸や亀裂がある場所の除染に効果が期待できる。作業に伴い汚染物が拡散する心配もない。
ただ、水に弱い性質があり、作業時の降雨対策が求められる点やコストが高いことが課題だ。民間事業者は「乾燥に24時間ほどかかるため、屋外での使用は難しい。素材の費用は1平方メートル当たり1万円程度かかる」と指摘する。
■事前協議が必要
ショットブラストやはく離剤は県の実地試験で効果が確認されたが、環境省の除染関係ガイドラインに使用が明記されていない。このため、市町村が除染に導入する場合、環境省との事前協議が必要となる。協議に時間を要して除染が遅れる懸念がある上、認められなければ費用は市町村の全額負担となる。
県は試験結果を環境省に通知し、ガイドラインに盛り込まれるよう求めている。
環境省はガイドラインを随時、見直す方針だ。ただ、環境省除染チームは「県やJAEA、農林水産省などが行った実証試験の結果について効果、効率、費用の観点から精査している段階」としており、「第二版」の公表時期は不透明だ。
※除染の実証試験
県は平成23年度、除染技術実証事業を実施した。民間から除染技術を公募し、3月に構造物や土壌の実地試験19件の結果を取りまとめた。環境省に示し、除染関係ガイドラインに反映させるよう求めている。除染技術の開発、普及の促進に向け平成24年度は2回の実証事業を行う。1回目は5月中に公募する予定だ。一方、日本原子力研究開発機構は平成23年度に警戒区域などで除染モデル実証事業を展開した。内閣府は事業の結果を踏まえて今後、最終報告をまとめる方針。
(管窺)
一方野生のタラノメは測定件数43点中12点が、つまり23%が規制値である100ベクレル/kgを超えている。最高値は585ベクレルである。
これまでの結果から植物栄養学的に言えるであろうことは、人が野生の新芽をたべる植物でも、コシアブラの方がタラノメよりもはるかに放射性セシウムを新芽に移行させやすいということである。
樹皮に吸着したセシウムからか根が土壌から吸収したセシウムからか、今年はどちらが新芽の放射性セシウムへの主な起源なのかは不明である。しかし、今後は土壌からの寄与が多くなってくると予想される。
(森敏)
大飯位原発再稼働に同意―安全性「担保された」―福井・おおい町議会
福井県おおい町議会は14日、全員協議会を開き、政府が再稼働を要請している関西電力大飯原発3、4号機(同町)について、再稼働に同意することを決めた。同日中にも時岡忍町長に町議会の見解を伝える方針だ。
全員協議会では、議員から「福島第1原発事故後の対策により安全性は担保された」「電力の安定供給につながる」など、安全性や必要性の観点から再稼働を容認する意見が続出。「住民の理解が得られているとは言えない」として、現時点での再稼働に反対する意見も出たが、多数決の結果、再稼働への同意を決定した。(2012/05/14-12:59 jijicom)
おおい町の町長や議員は、東電福島第一原発周辺に隣接する、遠く避難を余儀なくされている町民や議員と交流して、放射能汚染され帰還困難な現場の実態をよく見たうえで、本気で大飯原発再稼働に賛成しているのかね?
(喜憂)
付記:以下の記事のように、関電自身がまだ原発周辺設備に不安要素を主張しているのに、県の専門員会や町議会はなにを先走って安全を主張しているのだろうか? これでは町や県は「はじめに再開ありき」のセレモニーを急いでこなしているに過ぎない。井の中の蛙。
大飯原発近くに斜面が崩落の恐れ 関電解析、14年度に工事へ
経済産業省原子力安全・保安院は14日に開いた原発の耐震性を検討する専門家会議で、関西電力大飯原発1、2号機(福井県)の近くにある斜面が地震で崩落する可能性を否定できないとする関電の解析結果を明らかにした。関電は崩落防止のため、表面の一部を削り取る工事を2014年度に始めるという。
斜面は原子炉建屋から数十メートル程度しか離れておらず、万一、地震時に崩れれば事故対応などに影響する可能性もある。
関電が、大飯原発で想定する最大の揺れの強さ(基準地震動)で斜面の強度を解析したところ、1、2号機北側斜面の表層の弱い部分がわずかに滑り落ちる場合があることが判明した。
(共同)2012.5.14.21:22
追記1:原発推進派であった福島県佐藤知事は、事故後完全に脱原発に方針転換している。
原発再稼働議論で国を批判 佐藤知事「事故検証はまだ」
原発の再稼働の可否を判断する新たな安全基準について、佐藤雄平知事は12日、定例会見で「東京電力福島第1原発事故の検証も終わらないうちに再稼働の議論をすることは問題」と述べ、関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の再稼働に向けた政府の動きを批判した。佐藤知事が本県以外の原発再稼働問題で発言したのは初めて。佐藤知事は政府に対し「需給面よりも安全最優先で進めてほしい」とも注文。政府の原子力政策に原発事故被災県の立場から意見を述べていく姿勢に転換した形だ。
佐藤知事は、県が復興計画の中で「原子力に依存しない社会づくり」を理念に掲げていることを挙げた上で「原子力災害は進行中と認識している。本県の厳しさ、実態を分かっているのか」と述べ、すでに「収束宣言」している政府の対応に苦言を呈した。
(2012年4月13日 福島民友ニュース)
付記2: 以下のように続々と出てくる、原子力発電への天災要因・保安院もびっくり
耐性検査2次評価、竜巻・噴火も考慮…・・保安院
経済産業省原子力安全・保安院は15日、原子力発電所の運転継続の可否を決める「ストレステスト(耐性検査)」2次評価について、考慮すべき災害として1次評価の対象だった地震と津波に、竜巻や火山噴火などを加える方針を示した。
同日開かれた保安院の専門家による意見聴取会で事務局側が2次評価の評価項目案として示した。
2次評価は、設計段階の数値で計算する1次と異なり、個別の機器の余裕度を調べたうえで、原発に備わる本来の安全性を調べる手法。保安院は事業者に対して、地震と津波が個別と同時に襲来する場合をそれぞれ検討させるとともに、竜巻や火山噴火、また、低温や積雪など原発立地地域の気象条件も加味させる。
(2012年5月15日23時49分 読売新聞)
遅ればせながら、
原発に「ふるさと」を奪われて
福島県飯館村・酪農家の叫び
福島県酪農農業組合理事
飯館村前田地区区長
長谷川健一 著 (宝島社刊)
を一気に読んだ。
これは、迫真の一次情報である。読後の感想を述べるのもはばかれる。
(森敏)
福島県農業総合センターのホームページ
http://www.new-fukushima.jp/monitoring.php
をみると、淡水魚のヤマメが今年の3月18日の時点で、飯館村(新田川)で
Cs-134:7700ベクレル/kg,
Cs137:11000ベクレル/kg
というとんでもない高い値を示している。これはなぜだろうか?
昨年の最高値は飯舘村(真野川)でCs-134:1000ベクレル/kg, Cs‐137:1100ベクレル/kgであった。
ちなみに昨年の淡水魚の最高値はアユで、南相馬(新田川) Cs-134: 2100 ベクレル/kg, Cs-137: 2300ベクレル/kgであった。
今回の
雪解けの新鮮な放射能汚染沢水を苔が光合成しながら吸収して、それを川虫(カワゲラ、カゲロウ,トビゲラ)などが食して、それらの川虫をヤマメが食したのかもしれない。あるいは、放射性ヘドロを体内にとりこんだミミズをヤマメがそのまま食したのかもしれない。
現場に行って、ヤマメの気持ちになって風景を眺めてみると、放射性セシウムの食物連鎖が見えてくるかもしれない。
言いたいことは、単に汚染数値だけ見ていても、決して放射能汚染の実態には迫れないということである。
(森敏)






