2014-08-28 12:22 | カテゴリ:未分類

2014 8 26
飯舘村/福島再生支援東海ネットワーク事務局からの報告の一部(サユリの死の部分のみ)を以下に転載します。

 

 

2014 8 2324 日の飯館支援活動
「サユリ」の死と、植物異常と想像を遥かに越える「初期被曝」の実態と

M.レクオーナ(キューバ)作曲のラテンの名曲『タブー』。もともとは許されざる恋や共同体の戒律を意味する概念だが、大家E.レクオーナの姪であるマルガリータは、ロマン、冒険、エキゾチシズムをこの曲に織り込んだ。こちらでは不本意にもストリップティーズの伴奏、例の「全員集合」の出し物でも有名。
 
この曲に乗り、メスの白馬、「サユリ」は細川徳栄さんに仕込まれた芸を披露し、観客を驚かせていた。おそらくこのコンビでしかできなかったパフォーマンスであり、それだけ細川さんの彼女への愛情や愛着も深かったと思う。
 
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25 日、そのサユリが死んだ。病状は他の馬と同じ。前後脚筋肉の激しい痙攣と歩行不能化、食べられなくなることでの死である。23
24 日、細川さんが我々の面前で必死に起き上がらせよう、食べさせようとするが、その甲斐なく、翌25 日逝ってしまった。彼女の苦しさを見ていた我々は、不謹慎にもそこからの解放を願ってしまい、救えない己の非力を呪うしかなかったのだ。
 
これで昨年からの連続死は、馬27 頭に羊4 頭、計31 頭である。
 
一カ所での連続死だから、普通ならパンデミック想定で大騒ぎになる筈が、保健所も行政も原因追求は殆どせず、報道機関も一部を除いて取り上げようとはしない。
 
飯館から帰った25 日、細川牧場から岐阜に貰われていったポニーの「太陽」にも筋肉痙攣発生の一報が入る。細川さんの努力で今年に入って羊の死はあったが、馬の死は回避されていた。 
 
それがここへ来て避難している馬も含め、2 頭に症状が出てきてしまったことになる。
 
事故後の31 頭連続死であり、放射能による何らかのインパクト、と思われるのだが、原因の特定はできていない。筋肉異常・肝機能異常・高脂血の診断は出ているが、放射能との具体的因果関係が不明。有力と思われるのは、筋肉へのセシウムによる直接打撃、最近では顕著な銅(必須ミネラルとしてのCu)不足?という見方も出てきている。
 
また、事故直後の高濃度初期被曝(試算では細川牧場のある地区での2011 3 15 日のCs137ピーク線量は約63 マイクロシーベルト/時、降下濃度は約80 万ベクレル/㎡、12 核種空中浮遊濃度約2 4,000 ベクレル/
、雨水放射能密度ヨウ素・セシウム計約33 8,000 ベクレル/kg、同雑草約385 8,000 ベクレル/kg となる。これらを外部被曝+内部被曝として計算すると、15 日以後の1 週間ほどで想像を遥かに越える数値となる。ちなみに年間外部被曝量では約62 ミリシーベルトである)の影響が極めて大きいと考えられる。なお、これら数値は現在検証中。
     
下の写真は死亡2日前の「サユリ」。筋肉痙攣・歩行不能・摂食不能で立っておられず、 吊りベルトで辛うじて保持されている。細川馬の死
 
下の写真は死んだサユリと寄り添う仔馬と嘆きの細川さん

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2014-08-23 10:38 | カテゴリ:未分類

       若者の基礎学力の成績低下とインターネット消費時間量との相関が顕著にしめされた」という内容の記事をいくつか読んだ。このような調査に対してさまざまな反論をしている人もいるようだが、そのぐちゃぐちゃと反論している人こそネット中毒か、情報産業の利益集団であろうと思う。

 

世界の大手情報産業は一社で年間数兆円の収益と引き換えに、多くの子供たちにネット依存症を誘発している。極論すれば子供たちの無能化を促進している。未来を背負って立つ大量の人材を劣化している。無気力人材の創出に貢献している。これは日本ばかりでなく世界中の若者の共通の傾向のようだ。科学の発展が次世代を無能化するという実に皮肉な現象だ。

 

ネットでのゲーム依存症は、「やめられない」という、これまでのアルコール、タバコ、パチンコ、ルーレットなどの人間の「依存症」に関わるどこかの脳神経をたえず刺激し続けてフィードバックが効かない状態に追い込むのだろう。人としてのフィードバック神経の進化が追いつかないで、技術が暴走しているのである。この神経の構造は原発の暴走を止められない人の脳神経の構造を連想させる。

 

改めて眺めてみるとJRや地下鉄の中では乗客(大人)の60%以上の客が携帯を操作しているのは本当に驚きである。これは名古屋でも関西でも全く同じ状況だ。おそらく札幌や福岡でも同じ傾向ではないだろうか。日本中の大人がこういうネット中毒症だから子供にネットをやめさせることはおよそ不可能だろう。

 

小生の後輩が勤務するさる私立高では、生徒が登校して学校にいる間は生徒の携帯機器を担任があずかって、下校時に返却するのだそうである。外界の雑音から完全に隔離して授業や実技の基礎的学習に集中させるためとか。実に賢明な処置だ。

 

ネット常用者は検索能力とコピペ能力が異常に高い。これは例えが悪いかもしれないが「人のふんどしで相撲を取る」能力である。しかしネットのもっとも悪い点は体を動かして痛い目に遭いながら失敗と成功を繰り返して、自分なりの課題解決策を体で身に浸みるように体験することを避ける若者を大量生産していることである。これは青少年教育に関わる人たちの当節当たり前の実感だろう。研究者にもそういう人種が増えているように思う。

 

全く新しい課題に対する解決能力は自分自身が傷つき挫折を繰り返しながら生み出すもので、それが「独創性」というものを高める基礎である。よほどの天才を除けば、ネットからは決して独創性を身につけることは出来ない。

 

福島第一原発の放射能汚染の問題も、ネットでいくら映像情報を得て「放射能」を頭で解釈しても、本当に体で理解したとは決して言えないだろう。自分自身が放射能を浴びなければ、その不気味さはわからないだろう。現地住民の苦悩も全く理解できていないだろう。さる原発再開の旗を振る物理学者は、福島第一原発に向かう車の中で、γ線量計の音が次第に高まるのを体験してさすがに黙り込んでしまったということだ。小生がこれまで案内してきた教授達もおしなべてしかりであった。

 

若者よこの夏もネットをやめて、放射能汚染地や豪雨被災地にいこう。現地で「矛盾」を体験しよう。その体験があとになってかならず意味を持って来るだろう。

 

 

(森敏)


2014-08-13 15:48 | カテゴリ:未分類
    以下は東電福島第一原発メルトダウン以降、放牧馬の20頭以上の連続死を経験し、先日東電に東京地裁で損害賠償裁判を起こした、細川徳栄さんたちの映像である。やっとNHKが本日(8月13日)の「被災地からの声」という真昼の番組で、細川さんと娘(美和 27歳)さんの声を放映した。小生は涙もろいので、現地調査で見ている細川邸の風景ではあるのだが、思わず目が潤んでしまった。 
 
 

(美和さんの話)
  

物心付いたときから馬がいて馬に乗っていたみたいな感じ。

私、兄弟がいないので馬が兄弟みたいなもので。

だから(原発事故で)家族(馬)を見捨てて自分ばかり避難することはできない。

みんなで話をして、どこでも馬と行けるんだったらいいと言っていました。

父は「アメリカだろうが、どこでも馬となら行くぞ」て言っていましたね。

(でも場所が)見つからなくて、見つかったとしても、お金がかかったりとか。。

 

(徳栄さんの話)
  

(原発事故以降は)毎日毎日汗と涙。

いいことは何もなかったね。

悲しいことばかりだね。

悲しいことだよ。
残された人生、

明るく生きたいけれど

何がなんだか分からない生活。

楽しいということは一度もない。

うまくいくように私は頑張っている生活。

 



 
 
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          ポニーの子を抱える美和さん
 
   
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          馬も家族!!
 
 
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(森敏)

付記:番組では細川裁判のことや馬の連続死に関しては、一言も紹介されなかった。インタビューではきっと彼はそれらのことを口酸っぱく語ったと思うのだが、全部カットされたのではないだろうか。 
 
追記1:上記の徳栄さんと美和さんの言葉は、何度読み返しても、まさに絶唱に聞こえます。「詩(うた)」ですね。このやるせなさにどなたか曲を付けてみてくれませんか。



2014-08-11 11:51 | カテゴリ:未分類

  これまでにヘビ(マムシ、青大将、ヒバカリ)を5匹つかまえて放射能を測定したりオートラジオグラフを撮影してきた。

これらのヘビの採取日と採取地区はいろいろである。

 

そのうちヒバカリと青大将は皮を剥いでその皮をオートラジオグラフを取ってみた。マムシは脱皮したものを入手したので、これもとにかくオートラジオグラフをとってみた。 
  
 

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図1-a まむしの脱皮(岩部ダム。約1.5メートル)

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図1-b  まむしの脱皮の外部放射能汚染。蛇腹の模様は鮮明ではない。 黒い点は放射性降下物(フォールアウト)。
 
       2013年の10月に岩部ダム(飯舘村飯樋岩部)で石組みの堰堤の隙間に入っ行った2メートル長のまむしを捕獲し損ねた。のだが、そのマムシが以前に脱皮したものと思われる皮(革)を、ダムのコンクリートの上で採取した(ここで日向ぼっこをしながら脱皮したのだろう)。上の図1-bのラジオオートグラフを図1-aと比較して見ると革自身の放射能が鮮明でなく、むしろプツプつと放射能の直接外部汚染が顕著である。この脱皮時期にはすでにヘビが食べる餌(カエルやとかげ)の汚染量が少なく、したがってヘビの放射能内部汚染が進行しがたくなっている時のものかもしれない。 しかしヘビが動き回る岩場や地面は汚染されたままなのでそれが革の外部汚染になっているのである。 

  
  一方、以下に示す図2-b(図2-aと比較してください)のオートラジオグラフと 図3-b(図3-aと比較してください)のオートラジオグラフでは、蛇腹の横縞の模様が鮮明に感光していることがわかる。放射性セシウムはマムシが食べた汚染カエルやねずみを通じて革の部分の組織にせっせと内部被ばくして沈着している。 脱皮はヘビにとっては一種の放射能解毒機構になっているわけである。
 

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図2-a 全身(約1メートル)を解剖してむいた青大将の革(長いので2つに分けている)。(飯舘比曽地区。2013年8月)

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図2-b 図2-aの青大将の革のオートラジオグラフ。放射能内部汚染した蛇腹がきれいに写っている。濃い点々は外部汚染。

 

 

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図3-a ヒバカリ(約1メートル)の腹部の蛇腹のみをはぎ取った革(飯館ー浪江399号線沿い。2012年8月)

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図3-b ヒバカリの蛇腹のオートラジオグラフ。内部被曝による模様が極めて鮮明

 

 (森敏)
付記1:図2、図3のヘビを採取し、ヘビの皮をむいたのは小動物の生体解剖が得意な加賀谷雅道カメラマンである。
付記2:図1、図2、図3ともに革の放射能は測っていない。ただし図2のヘビの本体はガイガーカウンターで約100cpm、図3のヘビの本体は1500cpmであった(このべらぼーに高い放射能のヘビの標本は博物館に永久保存する価値があると思うので解体していない)。 

図3のヘビの皮(革)をむいた本体の方のオートラジオグラフはすでに以前に紹介したものであるが、ここに再掲する。黒い部分は消化管の内容物である。筋肉の塊であるから全面的に放射性セシウムで内部被ばくしている。
新しい画像-- 
この図は以前にフランスのLiberation誌にも掲載されたものである。

 2014/03/15 : フランスの主要新聞「リベラシオン」の福島特集に掲載された7枚のオートラジオグラフを紹介する

付記3:今回と違なる小国地区でのサンプルだが、青大将については一度報告した。
 
 2013/03/05 : 青大将(あおだいしょう)にもAg-110mが検出された

 

   


2014-08-06 16:48 | カテゴリ:未分類

笹井芳樹副センター長の自殺には悲しすぎて言葉を失いそうだ。

 
       自分が自ら手を下した研究であれば、誰が何と言おうが自信を持って天下に突っ張れるが、そうではない今回のケースに関しては、なかなかさまざまな重圧に踏ん張りきれなかったのだろう。

 
      彼の自殺は矛盾の中での「切腹」だ。 
    
莫大な知的財産が失われたとみるべきだ。

 

     報道によればあちこちの遺書の

「研究は楽しかった」

「STAP細胞を必ず再現してください」

「あなたのせいではない」

「楽しい人生を一歩一歩進んで行ってください」

「精神的に疲れた」

「今日、あの世に旅立ちます」

という断片的な文言のみが開示されている。

 
       死ぬことを決断しても、残された本心はSTAP現象の解明に、希望をかけているところが実に純真な科学者だ
 

発生・再生総合科学総合研究センターの副センター長などという、さまざまなマスコミ対応や、予算獲得や、人事裁量などの多彩なガバナンスを要する地位に上りつめずに、生命現象の摂理を解明するという一研究者に徹しきれなかったところが悲劇だ。 
 

えてして「人は無能化するまで出世させられる」のである。
  
 
(森敏)
追記1:本日(8月7日)
笹井氏の小保方さんへの遺書のほぼ全文が神戸新聞で紹介されている。

STAP細胞論文の責任著者の一人で、自殺した理化学研究所発生・再生科学総合研究センター(神戸市中央区)の笹井芳樹副センター長(52)が、小保方(おぼかた)晴子研究ユニットリーダー(30)に宛てた遺書の概要が、関係者への取材で分かった。「疲れはてました」と吐露し、謝罪を繰り返す一方で「決してあなたのせいではない」「新しい人生を歩みなおして」と小保方氏を気遣う内容だった。

 小保方氏宛ての遺書は、手書きで「小保方さん」と書かれた封筒に入っていた。A4サイズの用紙1枚に横書きで約20行の文章をしたためた。パソコンで作成したとみられる。

 「もう限界を超え、精神が疲れはてました」「もう心身とも疲れ、一線を越えてしまいました」と吐露し「一人闘っている小保方さんを置いて」「こんな事態になってしまい、本当に残念です」などという趣旨のわびる表現が目立った。

 「私が先立つのは、私の弱さと甘さのせいです。あなたのせいではありません」「自分をそのことで責めないでください」と繰り返すなど、かばう言葉が続いていた。

 「絶対、STAPを再現してください」と進行中の検証実験への期待に触れ、最後は「それが済んだら新しい人生を一歩ずつ歩みなおしてください。きっと きっと  笹井芳樹」と結んだ。

 自殺現場で見つかった遺書は3通で、うち1通が小保方氏宛て。すべてパソコンで作成したとみられ、いずれも封筒に入っていた。

追記2:昨日発行された文藝春秋にはSTAP問題の2つの取材記事が載っている。これはなかなか読ませます。

「小保方晴子 三つの顔」 森健
「聡明でウイットに富んだ人です」弁護士が初めて反論150分 三木秀夫/室谷和彦

追記3.雑誌「新潮45」に 笹井氏がカネの問題で自殺に追い込まれたという観点からの記事が出ている。
笹井が死を持って告発した「理研の闇」 小畑峰太郎

この筆者によれば、
「科学は,真理を客観的に追及する高尚な学問かもしれない、しかしそこの従事する人間は、栄誉と金と欲望と狂気に翻弄されながら俗世に生きる俗物なのである。それはどこの世界とも同じであり、社会の木鐸である新聞記事にねつ造があり、聖職者と呼ばれる神父が少年愛に耽るのと同じことだ。」
「(笹井は)予算獲得のためにSTAP細胞にかかわるような傲慢さが身についてしまった」
ということなんだそうである。